けっしょうばんむりょくしょう

血小板無力症

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概要

血小板無力症とは、血小板がうまくはたらくことができない病気です。血小板は、出血したときに止血するはたらきがあります。しかし、この病気では、血小板が止血するときにはたらくタンパク質の設計図(遺伝子)に生まれつき異常があります。そのため、うまく血小板がはたらくことができず、止血しにくくなります。血小板無力症は小児慢性特定疾病に指定されており、子どもに遺伝する可能性があります。

原因

出血が起きると、血小板はその周囲に付着(粘着)して周囲のタンパク質を活性化させます。さらに、血小板が集まり(凝集)、凝固因子と呼ばれる別のタンパク質を活性化させて最終的に止血します。血小板無力症は、凝集にかかわる遺伝子の生まれつき(先天性)の異常が原因です。

常染色体劣性遺伝という遺伝形式で遺伝するため、両親がこの病気を発症していなくても子どもが血小板無力症を発症する可能性があります。

症状

血小板無力症の主な症状は、皮膚(ひふ)や粘膜の出血です。具体的には、皮膚や歯茎から簡単に出血する、鼻血が出やすい、血豆ができやすい、足に点々のような出血が起きやすいなどの症状があります。

また、胃や腸から出血したり、尿に血が混じったりすることがあります。初潮開始後の女性の場合、生理の出血が増えることがあります。関節内や筋肉内などの深部出血はまれです。

検査・診断

血液検査で血液に含まれる細胞の数や形などを調べます。血小板の数や形が正常で、凝固異常もないにもかかわらず出血傾向を示す場合は、出血時間を測定し血小板の機能を調べます。

耳介(耳たぶ)に少しメスで切り傷をつけ3分以内に止血しなければ、出血時間が延長しており、血小板無力症が疑われます。また、血小板の粘着や凝集に関わる遺伝子を調べ、異常の有無を確認する遺伝子検査を行うことがあります。

治療

血小板無力症の治療の目的は、出血もしくは出血予防で、年齢や症状、出血の重症度や頻度によって治療方法は異なります。

皮膚や粘膜の出血がある際には局所を圧迫します。止血が困難な場合や外科的な処置を行う場合には、血小板を輸血します。

また、体と体がぶつかるような激しいスポーツは禁止されます。血小板の機能がある程度保たれている場合は、特に治療は行わず、定期的に採血を行いながら経過を見ることがあります。

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