じゅうふくじんうにょうかん

重複腎盂尿管

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

重複腎盂尿管とは、頻度の高い尿路奇形であり、片側の腎盂(じんう:腎臓からの尿の出口)と尿管が、重複して2本ある状態です。

尿は左右の腎臓でつくられ、腎盂から尿管を通って膀胱にたまり、尿道を通って体の外に排泄されます。この尿の通り道(尿路)に、生まれながらにして形・位置・数の異常がある状態を尿路奇形といいます。

重複腎盂尿管は、腎臓の上半分と下半分から別々の腎盂が起こり、それぞれの尿管につながります。その後は、完全型と不完全型という二通りにわかれます。

  • 完全型:それぞれの尿管が別々の穴に開口する
  • 不完全型:途中で合流して1本の尿管として膀胱に開口する

完全型の場合、通常2本の尿管は途中で交差します。上側の腎盂からつながる尿管は正常より下側に開口し、下側の腎盂からつながる尿管は正常な位置、もしくは正常より上側に開口するという特徴があります。
 

原因

母体のなかで、胎児の尿路がつくられるときに起こる異常が原因です。通常は、左右1本ずつ、尿管芽という尿管の元ができ、これが伸びて腎盂から尿管がつくられます。しかし、この尿管芽が片側に2本できてしまうと、最終的に完全型の重複腎盂尿管になります。

尿管芽が途中で枝分かれすると、不完全型の重複腎盂尿管になります。
 

症状

重複腎盂尿管のみでは、通常症状はみられません。女児においては、膀胱ではなく膣に2本目の尿管が開口することがあり、この場合には膣から持続的に尿が漏れることになります。

そのほか、膀胱から尿管に尿が逆流する状態、もしくは尿管の通過が悪く尿がスムースに流れない状態があると、尿管や腎盂の異常な拡張(水腎症)や、くりかえす尿路の感染症、腎臓の機能障害をきたすことがあります。
 

検査・診断

特に症状をきたしていない場合、他の目的で画像検査を受けた際に偶然に発見されることが多いです。もしくは、くりかえす尿路の感染症や水腎症をきっかけとして、診断されることがあります。

経静脈性腎盂造影(静脈から注射された造影剤が尿として流れ出ることで腎盂・尿管を写し出す検査)、超音波検査、CT、 MRIなどの画像検査が診断に有用です。尿管が本来と異なる部位に開口している場合、膀胱尿道を観察する内視鏡を用いて、その位置を診断します。

膀胱から尿管への尿の逆流がある場合、排尿時膀胱尿道造影(膀胱の中に造影剤を注入した後に排尿して尿の流れを調べる検査)で診断することができます。
 

治療

重複腎盂尿管のみで特に症状がない場合、治療は必要ありません。持続的な尿漏れ、膀胱から尿管への尿の逆流、あるいは尿管の通過不良がある場合、尿漏れを治療する、くりかえす尿路の感染症の原因を断つ、腎臓の機能障害を予防することを目的として、手術(尿管のつなぎ替え、腎尿管の摘出など)がおこなわれることがあります。
 

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