原因
外部からの音は空気の振動として外耳道を通り、鼓膜を揺らすことで中耳に存在するツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨に伝播します。次に、骨の振動は内耳のなかでも蝸牛と呼ばれる部位の内部にあるリンパ液へと伝わります。このタイミングで空気の振動である音の情報は、液体の振動へと変化します。
蝸牛の中には有毛細胞と呼ばれる神経細胞があります。髪の毛のような突起物を有する細胞で、蝸牛中の液体が振動すると毛にあたる部分が曲がったり揺れたりします。物理的な変化が細胞に生じると、液体の振動情報が電気信号へと変換され、脳へと情報伝達されます。そして、最終的に音として認識されます。
騒音性難聴は長時間にわたって大きすぎる騒音に曝され続け、有毛細胞が障害されることで発症します。障害を受けた有毛細胞は二度と再生しません。したがって騒音性難聴での難聴は不可逆的なものとなります。85db(デシベル)以上の騒音に8時間さらされ続ける状態が5~15年ほどあると、発症リスクが高まるといわれています。しかし、同じ環境にいる全員が騒音性難聴を発症するわけではありません。
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