えいちあいぶいのうしょう

HIV脳症

別名
エイズ脳症
最終更新日:
2018年09月20日
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2018/09/20
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概要

HIV脳症とは、エイズの原因ウイルスであるHIVによって引き起こされる中枢神経領域の合併症を指します。エイズ脳症と呼称される場合もあります。

具体的には、認知機能に支障が生じることから記憶力や集中力の低下などの症状がみられます。神経障害が進行すると機能の回復が難しくなるケースもあるため、早い段階で治療を受けることが大切です。

HIVウイルスは性交渉などが感染経路となるため、感染を防ぐために不特定多数との性交渉は避けるなどの対策も重要となります。

原因

HIV脳症は、HIVと呼ばれるウイルスを原因として発症します。HIVウイルスはエイズ後天性免疫不全症候群、acquired immunodeficiency syndrome、AIDS)の原因ウイルスであり、性液や血液中に含まれています。

感染経路としては、HIVウイルスに感染した人との性交渉や、HIVの混入した血液製剤の輸血などが挙げられます。

HIVに感染すると免疫機能が著しく障害を受けることで、さまざまな合併症が起こります。HIV脳症はそうした合併症のひとつであり、HIVが中枢神経への障害を引き起こすことを原因として発症します。

症状

HIV脳症では、認知機能に重篤な支障が生じます。具体的には、記憶力が低下し物忘れが多くなります。また注意力が散漫になったり、物事へ取り組む意欲が低下したりします。

性格面や行動面にも変化が生じ、窃盗を働くなどの問題行動を示すこともあります。

HIV脳症では、こうした認知機能、性格面、行動面への影響に加えて、運動面にも障害が生じることがあります。

たとえば、動きが緩慢になったり、ふらつきが生じたりすることもあります。こうした症状が現れることから、日常生活に大きな支障を来たすことも少なくありません。

検査・診断

HIV脳症では、身体診察における神経学的な評価が行われます。また、知能や記憶力を評価するために、HDS-R、mini-mental state examinationといわれる検査も行われます。

原因であるHIVウイルスの存在を確認するために、血液検査や髄液(ずいえき)検査も行われます。さらに、免疫機能の評価やその他の疾患との鑑別(見分けること)などの意味合いも含めて、血液検査や脳CT検査、脳MRI検査なども行われます。

治療

HIV脳症の治療では、ウイルス量をコントロールすることを目的とした治療薬が使用されます。

各薬剤を単剤で用いるのではなく、多剤を併用することでよりよいコントロールを目指します。治療薬の使用は長期に渡るため、副作用の出現に注意しながら治療を行なうことが大切です。

一度HIV脳症による神経障害が進行すると、完全に機能回復を望むことが難しい面もあります。そのため、HIVに感染した際には免疫機能が著しく障害を受けてしまう前に、早い段階から抗ウイルス薬による治療を受けることが大切です。

また、HIV脳症では認知機能や運動機能などに障害が生じるため、機能障害に合わせて環境調節を行うことも重要です。

たとえば、薬の内服がままならなくなることもあるため、飲み忘れないようにサポート体制をしくこともあります。また、転倒や転落が起きないように、部屋を明るくする、手すりを作るなどの対策も重要です。

HIV脳症は、HIVへの感染を原因として発症するリスクが生じます。そのため、不特定多数の人との性交渉は避ける、コンドームを使用するなど、感染を予防するための対策を講じることも重要です。

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