真の糖尿病治療のため、患者さんの生活全体に向き合いたい

DOCTOR’S
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真の糖尿病治療のため、患者さんの生活全体に向き合いたい

千葉・印西エリアで診療に尽力する髙橋 紘先生の医師キャリアストーリー

いんざい糖尿病・甲状腺クリニック 院長
髙橋 紘 先生

医師を志したきっかけ

医師を目指した最初のきっかけは、祖母の闘病でした。おばあちゃんっ子であった私が高校生のときに祖母が胃がんで入院をすることになったのですが、そのとき私は祖母が心配で、よく病室で受験勉強をしていたのです。そのときに祖母の回診にきていた執刀医の先生がとても格好よく見えました。「この先生が祖母の手術をし、命を救ってくれるんだ!」と実感できたことと、「医師は自分の知識と技術で、誰かを助けることができるんだ」という点で、医療の世界に憧れを持つようになり、医師を目指すことになりました。

糖尿病を専門にした理由

私の人生を大きく決定づけたもう1つの出来事があります。それは2011年に発生した東日本大震災です。私の生まれは宮城県気仙沼市で、この地域は甚大な被害を受けました。当時、私は医師として何か力になれるのではないかという思いが募り、居ても立ってもいられず、勤務していた病院に直談判し、医療支援に向かいました。避難所での医療支援に従事するさまざまな施設の医療チームと合流し、災害医療のサポートを行いました。私が災害医療のサポートを行い始めたのは災害発生から10日ほど経過していたタイミングでした。私は多くの負傷者の支援をしなければという覚悟を決めて現地入りしていたのですが、そこで出会った患者さんたちは地震の被害を受け負傷した人たち、というよりも、避難所で暮らす持病(慢性疾患)を抱える患者さんたちでした。無事に避難されてきた方であっても、持病を抱える方たちは、避難所でも継続した治療とケアが必要となります。こうした患者さんたちはちょっとした感染症、たとえばインフルエンザなどによっても重篤化し、命を落とす危険があります。

当時、外科医として患者さんを救いたいという思いがありましたが、病状が重篤化する前に医師として支援することで、より多くの方を救い、その方の健康寿命も伸ばすことにつながるのではないか、と強く思うようになり、内科医を目指す決意を固めました。

職場に戻ってから、被災地入りを後押ししてくれた恩師が糖尿病を専門とする医師であったこともあり、糖尿病を深く学びたいと感じるようになりました。糖尿病は患者さんの数も多く、関連する合併症も多いのですが、それと同時にさまざまな病気の引き金になることも多いのです。裏を返せば、糖尿病治療に向き合い、しっかりコントロールすることで他の病気の予防へとつなげることもできます。医師として、広く多くの方に関わり、たくさんの方の健康寿命を伸ばしていきたいと考えていた私にとって、この道が天職であると感じるようにもなりました。

クリニック開業の経緯やエリアを選んだ背景

父の職場や小学校が千葉県であったこともあり、幼い頃から印西市へは訪れる機会が多く、自然が豊かなところが大変気に入っておりました。

今回印西市、千葉ニュータウン中央駅からも程近いこの地にクリニックを開業しようと思ったのは、このエリアに総合病院はありましたが、そうした病院につながる専門的なクリニックが少なく、糖尿病患者に対する課題感が多いと感じたからです。

糖尿病は一度診断され、適切に治療がなされればすぐ治るといったような病気ではありません。長期間にわたって、場合によっては一生治療と向き合っていかなければならない病気です。病状が改善しても、日々の継続的な治療が大切です。患者さんが病気に向き合っていくのと同じように、医師も患者さんと長く向き合っていく必要があります。その役割を担うのは地元のクリニックであり、そこにいる医師であると考えています。

このエリアの若い人たちの人口が増えているのも特徴的です。すでに糖尿病を患っている高齢者の治療はもちろん、これから増えていく可能性がある若年層の糖尿病の患者さんもしっかり診ていきたいと思っています。できれば、糖尿病になる手前のところで一緒に診断、治療していきたいですね。そうすれば糖尿病の患者さんの数も減らしていけるはずですから。

最新の状況も含めて、糖尿病のことをもっと知ってほしい

私が医師として、糖尿病の治療にやりがいを感じる理由は、糖尿病は単なる検査結果やデータを見るだけでは治療できない病気だからです。皆さんは糖尿病の治療でもっとも大切なことは何かご存知でしょうか。日々の診察や投薬で数値をコントロールすることも大切なのですが、もっとも大切なことは、日常生活を正しくコントロールすることなのです。糖尿病に至った原因である日常的な食事や運動、さらには生活環境を改善しない限り、真の治療はできません。つまり、糖尿病に向き合う医師は、患者さんの生活全体にも向き合わなければならないのです。

自分が患者さんとお話するのが好き、ということもありますが、診療時は特に“会話”を大切にしています。日々の診察での何気ない会話の中から、その方の性格や生活習慣を把握し、それに合った治療を提案していきます。医学的に理想的な治療をお伝えしても、それを継続してもらわないと意味がありません。定期的な通院が必要だとかっていても、仕事が忙しくて定期的に病院に通えない方もいれば、足が不自由で通院自体が困難な方もいます。そうした方々に対しても、その方が実行できる治療を考え提案し、納得して行動してもらうことが必要です。そうすることで初めて、真の糖尿病の治療が提供できると考えています。

そのため、さまざまな状況の患者さんに対応できるよう、多様な治療方法を用意しています。日々の血糖値を常にモニタリングできるデバイスは、血糖の変動が大きい方や忙しくてこまめに血糖を測定できないような患者さんに適していますし、オンライン診療を組み合わせて遠隔で血糖値の状態を確認して治療を行うことも可能です。クリニックでは珍しいと思いますが、日本看護協会認定の糖尿病看護認定看護師が在籍していたり、自身も1型糖尿病を患いながら働いていたりするスタッフもいます。

糖尿病の治療は、デバイスだけではなく、処方される薬剤もここ数年で大きな進歩をしています。すでに闘病中の患者さんも、ぜひ一度ご相談に来てください。まずは私とお話しましょう。

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