身近な場所で患者さんの健康を支えていきたい

DOCTOR’S
STORIES

身近な場所で患者さんの健康を支えていきたい

循環器疾患の予防医療にも注力する山田 亘先生のストーリー

トライハートクリニック中野 代表医師
山田 亘 先生

幼少期の経験が導いた医師への道

幼少期に病気を患った経験が私に医師を志すきっかけを与えてくれました。

私が5歳のころ、細菌性髄膜炎にかかりました。現在はワクチンが普及していますが、かつて日本では年間1,000人程度がかかっていた病気で、重篤な後遺症が残ることがあります。発熱、嘔吐といったかぜのような初期症状のため迅速な診断が難しく、私も当初はかぜだと思われていました。しばらくすると細菌性髄膜炎の影響から足が動かなくなって異変に気付き、休診日に無理をお願いして地元のクリニックの先生に診てもらうことになりました。珍しい病気のため診断が難しいとされているのですが、幸運にもそのクリニックの先生が脳神経を専門とする先生だったこともあり、細菌性髄膜炎の疑いがあると適切な診断を受け、緊急で市民病院に駆け込み、治療を受けることになりました。この先生のおかげで早期発見、早期治療につながり、現在も後遺症なく元気に過ごしています。自分の命が一人の医師の判断によって救われたという経験が自分の人生に大きな影響を与えました。自分も誰かの命を支える存在になりたい、そのような思いから医師を志し、日本大学医学部に進学しました。

目の前の命を支えること――循環器診療に対する情熱

私が専門とする領域は、循環器診療です。進学当初は幼少期に脳神経外科の先生に命を救っていただいたという経験から、脳にまつわる病気や治療に興味を持っていました。しかし、卒業後に研修医として働いていた東京医療センターでの体験によって、循環器診療の世界にのめり込んでいくことになりました。

研修医として入職したばかりのころに、循環器内科で実習することになりました。救急搬送されてくる患者さんの中には、心不全や心筋梗塞(しんきんこうそく)などの、ときに一分一秒を争う病気を抱えた患者さんがたびたびいらっしゃいました。迅速な対応が求められる緊張感のなかで、患者さんの容体を診ながら適切な治療は何か判断し、治療を進めていくダイナミックさに 心を奪われました。「目の前の患者さんの命を今この瞬間に救わなければならない」という重圧を感じただけでなく、「患者さんを救うんだ」という強い使命感とやりがいを抱きました。また現在、聖隷横浜病院で副院長ならびに心臓血管センター長を務めていらっしゃる芦田和博先生との出会いによって、「循環器内科医として人生を全うしよう」と強い決意を固めることになりました。

予防医療にも注力したい――クリニック開業の思い

東京医療センターから聖隷横浜病院に移り、芦田和博先生の下で循環器内科医として働くことになり、ここで患者さんとの向き合い方を学ぶことになります。「常に最悪の事態を考えて行動しろ」という先生の言葉が今でも心に残っています。

心臓病は命に関わるケースが少なくありません。最悪の事態を想定し、検査データや画像だけで病状を判断するのではなく、直接患者さんと向き合い、患者さんの表情や会話の中身など、コミュニケーションの中での気付きや違和感もつかみ取りながら診察し、治療方針を決定していくことの大切さを学びました。病気そのものだけではなく、患者さん自身の人生にも向き合うようになり、医師として、患者さんがより健康で、より長く過ごせる人生を歩んでいくサポートができているのだという手応えと充足感もありました。ただその一方で、どうしても命を助けられなかった患者さんにも出会いました。そのような患者さんの中には、不摂生や不規則な生活によって高血圧や糖尿病などの生活習慣病にかかり、すでに血管や心臓の状態がよくない方もいらっしゃいました。また手術によって一命をとりとめたとしても、短期間に再発してしまい、また病院に戻ってきてしまう患者さんもいらっしゃいました。こうした状態になる前に患者さんに治療介入できれば、もっと多くの患者さんが健康で充実した生活を送れるのではないか、そのためには心臓病の予防医療にも注力すべきではないのか――。このような考えに至り、患者さんのより身近な場所で診察できるクリニックの開業を決意しました。

患者さんが健康で長く過ごせるようサポートしていきたい

生活習慣病は不規則な生活リズム、不摂生な食生活、睡眠不足などの積み重ねによって引き起こされ心不全や心筋梗塞といった病気につながっていきます。生活習慣病は発症初期には無症状であることがほとんどです。気付かないまま進行した生活習慣病が心臓病の発症につながり、そこで初めて症状に苦しむ方も少なくありません。そのような患者さんを支えるために、まずは心臓病を発症させないよう、日々の予防医療が重要であると痛感しています。近年、健康に関する意識が高まっており、運動や健康的な食生活を意識される方も増えているように感じますが、それでも自分の体の各臓器の健康状態を正しく把握できている方は多くはないのではないでしょうか。

健康診断で血圧が高い、コレステロール値が高いと診断された方は、循環器に何かしらの異常があることが疑われます。何が原因でそのような状態になったのか、今現在どの程度の健康リスクがあるのか、まずは正しく把握することが大切です。そのため、ご自身の健康診断で異常が指摘されたり気になる症状があったりする場合は、まずは当クリニックにお越しいただきたいと思っています。診察では心臓病のリスク診断や、そのリスクの高さに応じた生活習慣の改善のアドバイスをしていくことが可能です。また、心臓・動脈硬化ドック*も実施しており、より精密な動脈硬化のステージチェックや、血栓のできやすさなども診断しています。

加えて、過去に心臓病を発症した方に対してのフォローアップも実施しております。たとえば心不全は症状がよくなっても完全に治るというものではありません。加齢とともに心臓も血管も衰えていきます。生活習慣に気を付けて、ご自身の体をきちんとメンテナンスしながら、心不全ともうまく付き合っていくことが大切です。

今の当たり前に過ごしている日常生活を大切にし、その後の人生を今と変わらず健康に過ごしてもらうためのサポートをしていくこと、それが私たちのクリニックの使命だと考えています。より多くの方が、心臓病で困ってしまうことのないよう、循環器診療を専門とする医師として、皆さんをサポートしていけるとうれしいです。

*トライハートクリニック中野における心臓・動脈硬化ドック:こちらは自由診療となり、かかる費用は20,000円(税別)です。検査項目は心臓エコー、頸動脈エコー、心電図、採血(NT-pro BNP)、胸部X線で、所要時間は40分ほどです。

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