大腸がん
オンライン診療からのセカンドオピニオンで来院した大腸がん患者さん
NTT東日本関東病院 内視鏡部部長の大圃研先生に、大腸がんの症例について伺いました。
オンライン診療からのセカンドオピニオンで来院した大腸がん患者さん
この患者さんは他県にお住まいでした。地元の病院で大腸がんと診断され、内視鏡治療は適応にならず手術が必要だと言われたそうです。内視鏡で何とか治療できないかとセカンドオピニオンの病院を探しているなかで当院を発見され、ご相談いただきました。
遠方ということもあってまずはオンライン診療でお話を聞き、大腸の写真を見せていただいたところ、おそらく当院なら内視鏡治療が行えると判断。あらためて来院いただいて精密検査を行いました。その後内視鏡による治療を行い、30分ほどで取り切ることができました。
術後の通院コストが小さいのも内視鏡治療の特徴
内視鏡治療の場合、術後に何度も通院していただく必要はありません。この患者さんの場合も、治療前の来院や治療のための入院を含めて4回来院いただいたのみです。そのため、移動コストという面での負担が少ないことも内視鏡治療の特徴といえるでしょう。画像だけでも、内視鏡治療が適応になるかどうかある程度の判断はつきますので、まずはご相談いただきたいと思います。当院ではオンライン診療も行っていますので、特に遠方にお住まいの方は利用をご検討ください。
関連の症例
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膀胱へ浸潤したステージIIIcのS状結腸がん
こちらの患者さんは、S状結腸がんが見つかったときには膀胱に浸潤(しんじゅん)しているステージIIIcの状態でした。膀胱に浸潤している大腸がんの場合、時には膀胱を全摘して人工膀胱の設置が必要となることもあります。しかし、人工膀胱は患者さんが精神的・肉体的ダメージを負いやすいことから、なんとか膀胱を残して手術ができないかどうかを検討しました。 泌尿器科と連携して膀胱を温存した手術が可能 そこで当院ではこちらの患者さんに対し、治療方針の決定から手術、術後の管理まで幅広く泌尿器科と連携して治療を行いました。膀胱鏡を用いた術前の検査で、膀胱を全摘しなくても部分切除すればがんが取り切れそうだということが分かったため、手術時は外科医が腹腔鏡を用いて手術を行う傍ら、泌尿器科には膀胱鏡で膀胱の状態を観察してもらいながら切除範囲を決めていきました。 8時間ほどかかる大きな手術となりましたが、術後は頻尿などの合併症もなく、元気に過ごされています。幸い、手術でしっかりがんを取りきることができたため、今後は再発予防として術後の化学療法を行っていく予定です。
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術前化学放射線療法によって肛門温存手術が行えるようになった40歳代女性
京都桂病院の消化器センター・外科の副部長を務める濱洲はます晋哉しんや先生に、大腸がんの症例について伺いました。 術前化学放射線療法によって肛門温存手術が行えるようになった40歳代女性 こちらの患者さんは肛門から3~4cmの近い位置の直腸にがんが生じていました。直腸がんの場合、がんから2cmほど離して腸を切除する必要があるため、これだけ肛門に近い直腸がんの場合、通常は永久人工肛門を造設することを検討します。しかし、患者さんの「永久人工肛門は嫌だ」という希望を受け、なんとか肛門を温存できないかどうか考えました。 そこで手術前に化学放射線療法を行ったところ、がんが小さくなり肛門からの位置も4~5cmと少し離れました。このことによって肛門を温存して手術が行えるようになりました。 術前化学放射線療法によって肛門温存が可能に なんとか肛門を残してほしいとおっしゃる方は多くいらっしゃいます。当院でもできる限り希望に応えられるよう、術前化学放射線療法などを用いて治療を行っています。 こちらの患者さんは手術から数か月が経過していますが、現在は元気に生活しています。肛門温存手術の直後は一時的に小腸人工肛門となり、後に人工肛門を塞いでもともとの肛門から排泄が可能になります。この患者さんも現在は人工肛門で生活していらっしゃいますが、近いうちに人工肛門を塞ぐ処置を行う予定です。
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