大腸がん
救急車で運ばれてきた60歳代男性
こちらの患者さんは血尿や尿に便が交じる糞尿の症状があり、救急車で運ばれてきたことをきっかけに当院を受診されました。検査をしてみると進行した直腸がんで、がんが膀胱に浸潤しているために糞尿(尿から大便が混じる)が生じていることが分かりました。
化学療法によってがんが小さくなり手術が可能になった
このケースでは、発見された時にはすでにがんがかなり進行していたため、手術でがんを取りきることは難しいと考えられました。ただ、糞尿の症状を抑える必要があったため、まずは一時的に人工肛門を造設する手術を行い、便が膀胱に流れ込むことを防ぐ治療を行いました。
次に術後3か月化学療法を行ったところがんが小さくなり、幸いにも手術でがんが取れるほどの大きさになりました。そこで再度手術を行い、膀胱と肛門を残したままがんを取りきることができました。手術後5年以上経ちますが、再発なく元気に過ごされています。
関連の症例
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オンライン診療からのセカンドオピニオンで来院した大腸がん患者さん
NTT東日本関東病院 内視鏡部部長の大圃おおはた研けん先生に、大腸がんの症例について伺いました。 オンライン診療からのセカンドオピニオンで来院した大腸がん患者さん この患者さんは他県にお住まいでした。地元の病院で大腸がんと診断され、内視鏡治療は適応にならず手術が必要だと言われたそうです。内視鏡で何とか治療できないかとセカンドオピニオンの病院を探しているなかで当院を発見され、ご相談いただきました。 遠方ということもあってまずはオンライン診療でお話を聞き、大腸の写真を見せていただいたところ、おそらく当院なら内視鏡治療が行えると判断。あらためて来院いただいて精密検査を行いました。その後内視鏡による治療を行い、30分ほどで取り切ることができました。 術後の通院コストが小さいのも内視鏡治療の特徴 内視鏡治療の場合、術後に何度も通院していただく必要はありません。この患者さんの場合も、治療前の来院や治療のための入院を含めて4回来院いただいたのみです。そのため、移動コストという面での負担が少ないことも内視鏡治療の特徴といえるでしょう。画像だけでも、内視鏡治療が適応になるかどうかある程度の判断はつきますので、まずはご相談いただきたいと思います。当院ではオンライン診療も行っていますので、特に遠方にお住まいの方は利用をご検討ください。
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働き盛りの方の直腸がん
大腸がんの症例について、社会医療法人中央会 尼崎中央病院 副院長 兼 消化器センター長の松原 長秀(まつばら ながひで)先生にお話を伺いました。 働き盛りの方の直腸がん こちらの患者さんは直腸がんでしたが、まだ働き盛りの年齢だったこともあって肛門温存手術(こうもんおんぞんしゅじゅつ)を希望されていました。若い患者さんでは特に永久人工肛門に抵抗があり、肛門温存手術を希望する方が多いです。おそらく仕事など、社会的な活動をしていくうえでは不便を感じることが多いと考えるからでしょう。 私たちもできる限り社会復帰後の生活に影響がないよう肛門温存手術を行いますが、肛門温存手術をした場合でも術後は排便の頻度が高くなったり、便漏れなどが生じやすくなったりすることはあります。その懸念点も患者さんにはご理解いただいたうえで手術を行いました。 肛門温存手術後、日常生活に戻るために 肛門温存手術を行った方の場合、術後しばらくは排便のトラブルを抱えやすくなるため、さまざまな治療薬を使用しながら排便のコントロールを行います。 最近は便利なスマートフォンのアプリケーションがあるようで、この患者さんもアプリを活用して排便の記録を細かくつけてくださいました。地道にコントロールを続け、現在は治療薬などを服用しながら日常生活を送れるようになってきています。
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