リウマトイド因子定量とは、血中のリウマトイド因子の量を測る検査です。リウマトイド因子は主に関節リウマチに関連する自己抗体と呼ばれる物質で、関節の痛みなどの症状が現れた際に、診断の補助として調べることがあります。
リウマトイド因子の量だけでリウマチの診断はつきません。リウマトイド因子の量が基準値を超えている場合、関節の症状や、ほかの血液検査の結果を総合して診断を行います。また、治療経過を観察するために測られることもあります。
自己抗体とは、体の中で作られ、自分自身の細胞を攻撃してしまう物質のことです。リウマトイド因子は免疫グロブリンと呼ばれる、ヒトの免疫反応に関わる物質に対する自己抗体です。リウマトイド因子自体が関節リウマチの発症と関連しているかどうかは分かっていませんが、関節リウマチの病態に何らかの影響を及ぼしていると考えられます。
リウマトイド因子定量は、リウマトイド因子の検査のなかでも比較的新しい検査法です。かつてのリウマトイド因子の検査では、血中のリウマトイド因子の有無を調べることしかできませんでしたが、リウマトイド因子定量ではリウマトイド因子がどれくらいあるかまで分かるようになりました。これにより、リウマトイド因子の量のちょっとした変化がわかるようになり、より細やかな治療が可能になったといえます。
リウマトイド因子定量は、関節の痛みや変形がみられるなど、関節リウマチが疑われる際に診断の補助として行われることがあります。リウマトイド因子は、ほかの病気や健康な方でも検出されることがあるため、リウマトイド因子定量の結果だけで診断が下されることはありませんが、診断基準にも入っている重要な検査のひとつです。
また、リウマトイド因子定量は、関節リウマチの重症度の判定や治療経過の観察のために行われることもあります。
食事や喫煙などの生活習慣によって変動する検査値ではないため、検査前に注意することはありません。
この検査では、血液中のリウマトイド因子の量を測ります。血液を採取する際にはアルコール消毒を行うことがあるため、アルコールにアレルギーがある方は検査時に申し出るようにしましょう。
また、血栓を予防する薬などを飲んでいる場合は採血後の止血に時間がかかることがあるため、しっかりと止血を行うようにしましょう。
採血時は腕をまくり上げる必要がありますので、袖回りにゆとりがある服装で検査を受けるとよいでしょう。
少量の採血で検査を行うため、スムーズに採血ができれば、検査は短時間で終了します。針を刺す際に痛みを感じる場合もありますが、一般的な健康診断時の採血と同程度と考えてよいでしょう。
検査結果は血液中のリウマトイド因子の量で表されます。基準値は、15 IU/mL以下であることが一般的です。ただし、検査の方法や検査機関によって基準値が異なる場合もあるため、結果については担当医の説明をよく聞くようにしましょう。
リウマトイド因子は関節リウマチの診断基準のひとつであり、世界的な基準である「2010 ACR/EULAR 関節リウマチ分類基準」ではリウマトイド因子を「陰性/弱陽性/強陽性」の3段階で評価します。
リウマトイド因子定量を用いる場合、リウマトイド因子の量が基準値以下であれば「陰性」、基準値の3倍未満であれば「弱陽性」、基準値の3倍以上であれば「強陽性」として、診断基準にあてはめます。
リウマトイド因子の量が基準値を超えている場合、関節の症状や、ほかの血液検査の結果を総合して診断を行います。行われる可能性がある検査には、関節の痛みがある場所や程度の観察、手や関節のレントゲン撮影、関節の腫れを詳細に観察するための超音波検査などがあります。
また、リウマトイド因子は、シェーグレン症候群や強皮症など、ほかの病気でも基準値を超えることがあります。明らかにこれらの病気に特徴的な症状が出ていたり、関節リウマチの可能性が否定されたりした場合は、これらの病気を疑って血液検査などを行うことがあります。
大事な点は、リウマトイド因子陽性だけでは、必ずしも関節リウマチの診断にはならないことです。診断基準のほかの項目と合わせて診断します。
リウマトイド因子定量は、関節リウマチ治療の管理目的で行われることもあります。この場合は、リウマトイド因子量が基準値以上であったとしても、治療経過が良好と判断されれば特別な対処がなされないこともあります。
リウマトイド因子定量は関節に痛みがある場合など、関節リウマチをはじめとした何らかの病気が疑われるときに行われる検査です。関節リウマチは、少しずつ関節の破壊が進んでいく病気のため、なるべく早期に発見して適切な治療を始めることが大切です。適切な治療を続ければ、健康な方と同様の生活が送れるようになることもあるため、必要な検査や治療を継続することが大切です。
また、リウマトイド因子定量の結果だけでは診断できません。そのため、検査後すぐに薬の処方があった際には、一度リウマチを専門とする病院の受診を検討するとよいでしょう。
本記事で採用している検査名称はより一般的な表現を採用しておりますが、医療機関や検査機関によって異なる場合があります。また名称が異なる場合、検査内容も一部異なっている場合があります。
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地方独立行政法人東京都立病院機構 東京都立大塚病院 院長
内科、血液内科、リウマチ科、外科、神経科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、糖尿病内科、内分泌内科、膠原病内科、脳神経内科、老年内科、児童精神科、病理診断科
東京都豊島区南大塚2丁目8-1
東京メトロ丸ノ内線「新大塚」 徒歩2分、JR山手線「大塚」都営バス(都02):大塚4丁目下車 徒歩2分 徒歩10分、東京さくらトラム(都電荒川線)「大塚駅前」 徒歩10分
東京大学医科学研究所附属病院 アレルギー免疫科 准教授・診療科長
アレルギー科、血液内科、外科、脳神経外科、整形外科、泌尿器科、放射線科、麻酔科、緩和ケア内科、腫瘍内科、感染症内科、消化器内科、病理診断科
東京都港区白金台4丁目6-1
東京メトロ南北線「白金台」2番出口 日吉坂方面出口 徒歩2分、都営三田線「白金台」2番出口 日吉坂方面出口 徒歩2分、JR山手線「目黒」東口 都バス 品93大井競馬場行 白金台駅前下車 黒77千駄ケ谷行または橋86新橋行 東大医科研病院西門下車 徒歩15分
座間総合病院 人工関節・リウマチセンター リウマチ科 顧問、昭和大学江東豊洲病院 客員教授
内科、アレルギー科、リウマチ科、外科、精神科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、歯科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、腫瘍内科、消化器内科、糖尿病内科、内分泌内科、代謝内科、膠原病内科、脳神経内科、放射線診断科、放射線治療科、病理診断科
東京都江東区豊洲5丁目1-38
東京メトロ有楽町線「豊洲」6b出口 徒歩6分、ゆりかもめ「豊洲」南出口 徒歩6分、東京メトロ東西線「東陽町」都営バス 昭和大学江東豊洲病院前下車 徒歩約1分 バス
東京都立多摩総合医療センター 副院長
内科、血液内科、リウマチ科、外科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、感染症内科、消化器内科、内分泌内科、代謝内科、膠原病内科、脳神経内科、血管外科、頭頸部外科、精神神経科、総合診療科、病理診断科
東京都府中市武蔵台2丁目8-29
JR武蔵野線「西国分寺」南口 JR中央線も乗り入れ バス(約5分):総合医療センター(府中メディカルプラザ)行き、西府駅行き 総合医療センター(府中メディカルプラザ)下車 徒歩14分
東京都立多摩総合医療センター 救急・総合診療科 医長
内科、血液内科、リウマチ科、外科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、感染症内科、消化器内科、内分泌内科、代謝内科、膠原病内科、脳神経内科、血管外科、頭頸部外科、精神神経科、総合診療科、病理診断科
東京都府中市武蔵台2丁目8-29
JR武蔵野線「西国分寺」南口 JR中央線も乗り入れ バス(約5分):総合医療センター(府中メディカルプラザ)行き、西府駅行き 総合医療センター(府中メディカルプラザ)下車 徒歩14分