しふら

シフラ

正式名称
サイトケラチン19フラグメント
別名
CYFRA
血液検査
血液を採取し、その中に含まれる物質などを測定する検査です。
鑑別診断
この検査だけで病名を確定することはできませんが、異常の有無やどのような病気が考えられるかなどを知ることができるものです。検査結果に応じて、さらに検査が追加される場合があります。
フォローアップ
治療の効果や、病気の経過を知るために行われる検査です。定期的に繰り返して実施されることもあります。
スクリーニング
ある特定の病気について、その可能性があるかどうかを広く知るために行われる検査です。具体的な診断をするためにはさらなる検査を必要とします。また、健康診断などで用いられることもあります。
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基準値・基準範囲(出典元:エスアールエル詳細)

※検査機関・検査方法によって異なる場合があります。

  • 3.5以下ng/mL

シフラ(正式名称:サイトケラチン19フラグメント)は、腫瘍マーカーのひとつです。腫瘍マーカーとは、がん細胞が作り出す物質の総称で、がんがあると血液中や尿中に腫瘍マーカーが増えていきます。そのため、血液中や尿中にどのくらいそれが含まれているかを測定することで、がんの有無や種類、進行度などを判断する手がかりになります。がんにはさまざまな種類がありますが、シフラは肺がんに特異性の高い腫瘍マーカーです。また、乳がんや卵巣がんなどでも高値を示すことがあります。

一般的には、がんがある程度大きくならないと腫瘍マーカーが上昇しないため、がんが小さいうち、いわゆる初期がんの発見には役立ちません。また、がんがあっても必ず数値が上昇するとは限らず、がん以外の病気で上昇することもあるため、腫瘍マーカーだけでがんの有無などを判断することはできません。そのため、腫瘍マーカーは主に各種がん検査の補助として利用されたり、がん治療の効果判定に用いられたりしています。

シフラは血液検査で比較的簡単に測定できるため、健康診断や人間ドックのオプション検査として含まれている場合があります。また、胸部X線などほかの検査によって異常を発見して肺がんが疑われる場合に、良性・悪性を鑑別するためや、がんの組織型、進行度などを推定するための補助診断として利用されることもあります。このような診断のときだけでなく、肺がんの治療中の治療効果の判定や、経過観察を目的に測定されることも多くあります。

ただし、がんがあっても異常値を示さない場合があるほか、別の病気によって異常値が出ることもあるため、シフラ単独でがんの診断や治療効果を判定することはできません。

検査前に注意すべきことは特にありません。

検査前に心がけるとよいこと

一般的な血液検査と同様、採血によって検査を行います。主に腕の静脈から採血するため、スムーズに採血ができるように、ゆとりがあり袖がまくりやすい服装で検査に臨むようにしましょう。

スムーズにいけばそれほど時間はかからず、数分程度で終わるでしょう。痛みも採血時にチクっとした痛みを感じる程度だと考えられます。

シフラの基準値は、3.5ng/mL以下が一般的です。ただし、検査の方法や検査機関によって基準値が異なる場合があります。そのため、結果については医師からの説明をよく聞くようにしましょう。

まだがんと診断されていない方がシフラを測定して異常値が出た場合、肺がんや乳がん、卵巣がんなどが存在する可能性が疑われます。しかし、シフラ単独でがんの診断を下すことはできないため、異常値が出た場合には精密検査が行われます。精密検査の内容はがんの種類によって異なりますが、画像検査と病理検査(細胞診・組織診)が主体となります。画像検査としては、肺がんには胸部X線やCT検査、乳がんには乳房X線(マンモグラフィー)や超音波検査、卵巣がんには超音波検査やCT・MRIなどが行われるでしょう。

シフラは、がん患者さんの治療中に測定されることも多くあります。主に治療の効果判定や経過観察を目的として経時的に測定され、数値が下がってきていれば治療効果が出ているという判断の手がかりにすることができます。ただし、シフラ単独では判断できず、治療中に数値が継続して高値を示しても、治療がうまくいっていないとは限りません。画像検査などのほかの検査と総合して判断されるため、シフラの結果だけで一喜一憂しないようにしましょう。

がんの診断を確定するためには、画像検査や細胞診・組織診などの精密検査が必要不可欠です。がんが見つかるかと思うと怖いものですが、がんでないことも十分に考えられますし、がんの発見が早いほど治る可能性は高まります。シフラの検査結果が基準値を超えた場合には精密検査を受け、精密検査でがんでないことが分かった場合も安心せず定期的にがん検診を受けるようにしましょう。治療中の方は、医師の指示に従って治療を受け、自己判断で中断しないようにしましょう。

本記事で採用している検査名称はより一般的な表現を採用しておりますが、医療機関や検査機関によって異なる場合があります。また名称が異なる場合、検査内容も一部異なっている場合があります。