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患者さんと医療従事者に安心と学びがあるように-星総合病院理事長の原点と想い

患者さんと医療従事者に安心と学びがあるように-星総合病院理事長の原点と想い
星 北斗 先生

公益財団法人 星総合病院 理事長

星 北斗 先生

この記事の最終更新は2016年12月11日です。

福島県郡山市にある公益財団法人星総合病院理事長 星北斗先生は患者さんと医療従事者の両者にとって安心と学びある地域づくりをされています。「地域から愛され、頼りにされる」病院を目指しご活躍される星先生に、ご自身の原点やご経験、星総合病院の目指すビジョンについてお話をお伺いしました。

私は医師の両親のもとに生まれたことから、患者さんに「ありがとう」と言われる医師の姿を自然に見てきました。その一方、世間では「お医者さんは悪いことをしていそう」というネガティブなイメージがはびこっていると私は思います。このギャップを埋めないことには日本の医療に未来はないと常に感じています。この思いは私が医学生であった1980年代から今に至るまでずっと持ち続けている原点の一つです。

この原点を踏まえ、私は医学部を卒業後に旧厚生労働省に入省しました。そして在籍中に阪神淡路大震災を経験したことで現場の医師たちの力強さに大変感銘を受けました。しかし一方で、国会議員の顔色ばかりうかがい被災者への意識があまり向いていない役人の姿に、当時の行政の課題を感じたのも事実です。

アメリカ

その他にも、星総合病院に来て理事長に就任するまでに、さまざまなことを経験してきましたが、中でも印象的だったのはアメリカへの留学です。

留学中はアメリカ中の病院や、アメリカで活躍するたくさんの日本人医師を見て回りました。そこで大きく2つのことに気づきました。1つ目は「日本医療が持つよさと課題」、2つ目は「アメリカの専門家を育成する体制」です。

まず、日本の医療のよい点はどんな病院でも患者さんを診てくれるところです。大病院になればなるほど待ち時間は長くなりますが、それでも待っていれば診療を受けることができます。

一方で日本の医療の課題は、医療そのものがShabby(=みすぼらしい・粗末)であることです。どんな患者さんでも一定の医療を提供する必要があるためにどうしても資金が足りなくなってしまいます。また建物も古く、医療従事者も少ないうえに教育もはっきりいって洗練されていません。つまり、日本の医療のよさと課題は表裏一体であるといえるでしょう。

次に、アメリカでは「〇〇大学の〇〇先生はこの領域」といった具合に、その先生の専門分野を皆が知っています。お金さえ出せば、専門分野外の医師でもそれを活用できる仕組みが備わっているのです。

日本の医療の課題に関しては、今日の制度上、すぐに改善することは難しいと思います。しかし「専門家を作る」というアカデミアを追い求める姿勢は日本もアメリカに見習うところがあるのではないでしょうか。

星総合病院の理事長に就任し最近、私の軸となっていることがあります。それは「医療従事者としてだけではなく、一人の生活者として、私や星総合病院のスタッフがどのように地域に関わっていくか」ということです。

私がよく星総合病院のスタッフに話すのは、「3:7の信頼」です。

「あなたがもし、この地域の中で信頼を得ているのであれば、そのうちの3割が星総合病院に勤めているということによる信頼、そして残り7割はあなたが個人でその街の中で生活者、あるいは住民として役割を果たしていることによる信頼である」という話です。

まずはその地域の住民としての信頼があったうえで、医療従事者としての価値が認められれば、近隣住民の「こんな症状が出たときはどの病院へ行けばいいのだろう」「どうしたらいいのだろう」という問いにもすぐに応えることができます。これこそが医療従事者にとって、将来の勲章になるだろうと考えています。

星総合病院では、常にアップデートされた医療を提供できる環境を整え、患者さんに提供することが第一だと考えています。しかし、それでも私たちでは対応できないケースもあります。その際には、外部の力を借りて治療を行うための2つの手段を考えています。

1つ目は他の大病院に患者さんを送ること、2つ目は他の大きな病院から先生を招き、星総合病院で手術をしてもらうことです。

日本にもいわゆる「ゴットハンド」と呼ばれるような優秀な医師は数多くいますが、私は決してそのような医師が在籍することで集客をねらっているわけではありません。むしろ優秀な医師を星総合病院に招くことで、学ぶ意欲のある医師がきちんと学べる機会を設けることが理想ではないかと考えています。

また、星総合病院は周囲の医療機関とも連携して、患者さんの健康を守りたいという思いがあります。具体的には地域の病院などに患者さんのアフターケアをお願いし、当院における患者さんの入院期間をなるべく短くすることで、急性に特化した医療を提供したいと考えています。

しかしこの際、星総合病院を出て行った先で受けられる医療の質が低ければ、患者さんは「星総合病院から追い出された」という気持ちになってしまうでしょう。患者さんが安心して術後の生活を送れるよう、郡山市を中心に福島県地域全体の医療の質を上げる教育を推進することも私たちの仕事です。

医師

星総合病院には非常に志の高い医師が多くやって来ます。その理由は大きくわけて3つあると私は考えています。

1つ目は、「地の利」であると言えます。福島県郡山市に位置し、適度な田舎感と都市感があるところが魅力でしょう。

2つ目は、「経済環境が許す限り、医師の意見を聞き投資をする」という姿勢にあると思います。医師とは、目的達成のために最大の努力をする生き物です。経営的にどうこうという議論で、彼らのエネルギーを削いでしまうのはもったいないことです。その投資が直接的にすぐ回収できなかったとしても、それには大きな価値があると思っています。この考えは古くから続く星総合病院の一つの伝統です。

3つ目は、「人を大切にする」という点です。患者だけでなく、医師自身のからだや気持ちにも心を配るようにしています。星総合病院には比較的高齢の医師も多くおり、優秀な医師はぜひ長く働いてほしいと願っています。実際、自分のやりたいこと、できることを体調に合わせて取り組める当院の働き方に魅力を感じている医師も多いはずです。同様に、若い医師にも自分のやりたい医療をやりながら長く働いてもらい、医師としての人生を大いに全うしてほしいと願っています。

また、医師以外の医療スタッフの育成にもかなり力を入れています。よい看護師、助産師、技師のいる環境は働きやすい職場を作ります。働きやすさは、医師だけでなく全ての医療従事者にとって大きなインセンティブとなるでしょう。

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