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インタビュー

公開日 : 2017 年 02 月 08 日
更新日 : 2017 年 05 月 08 日

「1患者1ID」で医療から介護や福祉までワンストップを実現-けいじゅヘルスケアシステムとは

社会医療法人財団董仙会・恵寿総合病院が展開している「けいじゅヘルスケアシステム」は、医療から介護・福祉・保健まで包括的なヘルスケアを統合電子カルテによってワンストップで提供する革新的な事業モデルが評価され、2016年に第1回日本サービス大賞・総務大臣賞を受賞しました。「1患者1ID」を軸に展開する地域医療連携のさまざまな取り組みについて、神野正博理事長にお話をうかがいました。

能登半島地域をめぐる地域医療の現状

能登半島

(画像:神野先生ご提供資料より)

能登半島全体の人口はおよそ21万人です。一見すると小さいように思われますが、一周すると関東の伊豆半島と同じぐらいの大きさがあります。医師数はそれほど多くなく、医療資源の多くは七尾市周辺に集約されています。

七尾市には434床の公立能登総合病院、426床の恵寿総合病院、そして210床の国立病院機構七尾病院があります。人口5万人規模で400床以上の高度急性期病院が2つもあることから、全国的にもまれな地域であるといわれています。

このように医療や介護が充実していることは、暮らしやすい街という評価にもつながっており、雑誌などのトップランキングでも七尾市は常連となっています。その能登半島地域で、先端医療から福祉までを担う医療グループとして私たちが展開してきたのが「けいじゅヘルスケアシステム」です。

けいじゅヘルスケアシステム

けいじゅヘルスケアシステム

(画像:神野先生ご提供資料より)

「けいじゅヘルスケアシステム」は恵寿総合病院を中心として、超急性期の先端医療から福祉までのサービスを垣根なく提供しています。人口が減少していく中で、この地域に住んでいる方たちが「どこに行けばいいだろう」「どのサービスを利用しようかな?」と思ったとき、けいじゅIDを持っていれば、医療介護福祉の幅広いサービスを利用していただくことができます。

セントラルキッチン

私たちのグループの特色のひとつに、セントラルキッチンという給食工場設備があります。七尾市から離れた金沢市にある恵寿金沢病院へもそこから食事を運んでいますが、2016年12月からは金沢市内の別の病院でも利用していただくことになりました。昨今は病院給食を作っていた人が辞めてしまうと、新しい働き手がなかなか見つからないという現状もあります。そこで、私たちのセントラルキッチンシステムで作った料理を届ければ、現地で温めて盛り付けをするだけで提供することができます。

けいじゅヘルスケアシステムは「1患者1ID」で全体がひとつの仮想病院

私たちのシステムは「1患者1ID」という、大きな特徴があります。医療から介護・福祉のサービスに移行しても、患者さんの情報はすべてひとつの電子カルテ、データベースに統合されています。これは記事1「地域包括ケアシステムから、生活支援企業を巻き込む「地域包括ヘルスケアシステム」へ」で申し上げたような面展開とも密接に関係しています。

ひとりの患者さんにひとつのIDということは、ひとつの電子カルテの画面上に内科医の所見だけでなくデイサービスの所見もあり、その患者さんのところへいつヘルパーさんが行ったかというような履歴も参照できるということになります。もちろん、診療報酬などお金に関わる部分はそれぞれ別になっていますが、検査のデータや処方内容、医師・看護・介護の記録や履歴については、仮想上のひとつの大病院として扱うことができる仕組みを作っているのです。

電子カルテ

(画像:神野先生ご提供資料より)

ですから、普段はクリニックなどを利用している方が急に総合病院に来たときにも、それまでの診療履歴はすべて把握することができます。また、介護系の施設に入所している方たちの場合も、患者さんのケアに関する日常の記録などがすべてつながった連続性のある状態で病院に入院することになります。