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地域医療の真髄を学ぶ!「地域医療体験セミナーin草津」レポート

地域医療の真髄を学ぶ!「地域医療体験セミナーin草津」レポート
メディカルノート編集部 [医師監修]

メディカルノート編集部 [医師監修]

この記事の最終更新は2017年08月28日です。

2017年8月7日、群馬県で医学生が地域医療を体験する「地域医療体験セミナーin草津」が開催されました。このセミナーは、地域医療振興協会の主催によって自治医科大学と群馬大学の学生を対象に毎年行われています。

本記事では、セミナー後半に西吾妻福祉病院で行われた地域医療に取り組む先生方の講話と、自治医科大学・群馬大学の学生による合同研修報告会の様子をレポートします。

「地域医療体験セミナーin草津」は、地域医療を体験してもらうためのセミナーで、自治医科大学・群馬大学の学生を対象に毎年開催されています。この催しは、地域医療の支援・それによる地域の振興に取り組んでいる、公益社団法人 地域医療振興協会が主催しており、学生が群馬の地域医療を体験できるようなプログラムとなっています。

参加した学生は、まず群馬県内にある診療所や病院にて実習を行います。その後、西吾妻福祉病院に移動し、実際に地域医療に取り組む医師の講話を聞きます。そして最後に自治医科大学と群馬大学の学生が合同で研修報告会を行い、お互いに意見を交換します。

イベント

今回の会場となった西吾妻福祉病院は、群馬県吾妻郡に位置しています。この地域にはいくつか医療機関がありますが、急性期医療を行っている病院は西吾妻福祉病院のみです。救急要請は年間1,000件ほどで、長野原町、草津町、嬬恋村中之条町などの患者さんを受け入れています。

また地域の産科医療を担う病院として、産科医、看護師、助産師等のスタッフがチームとなり、分娩だけでなく産前・産後のサポートを行っていることも大きな特徴です。

西吾妻福病院

西吾妻副士病院 内観

診療所や病院で実習を終えた学生は西吾妻福祉病院に移動し、まず地域医療に取り組む医師の先生方のお話を聞きました。

はじめに西吾妻福祉病院管理者兼病院長を務める三ツ木先生が西吾妻地域における医療の現状と今後についてお話しされました。

群馬県吾妻郡は、群馬県・長野県の主要都市から陸路でおよそ1〜2時間かかる、農業・酪農・観光業が主要産業の地域です。住民の高齢化や人口流出だけでなく、医療機関の抱える問題も多く、限られた資源のなかでいかに医療を行うか、その大変さや、やりがいについてお話しされました。

イベント

自治医科大学を卒業し、現在は西吾妻福祉病院に勤務する長岡先生は、学生参加型の講話を行いました。

長岡先生は、へき地では高齢化が進んでおり、医療に従事するにあたって、高齢者は複数の疾患を抱えている場合が多くあることを念頭に置いておかなければならないとお話しされました。実際に高齢者の症例を検討する場面では、学生からさまざまな意見が挙がり、活発な議論となりました。

また、医師として働きながらも子育てを行う長岡先生は、へき地医療の在り方だけでなく女性医師のキャリアについて自身の経験をもとにお話しされ、医師として働きながら出産や育児を行うためにはどのようなことが必要であるか、学生のみなさんと一緒に考え、意見交換を行いました。

イベント

公益社団法人地域医療振興協会 総合診療産婦人科養成センター長であり私立恵那病院産婦人科に勤務する伊藤雄二先生は、女性の健康問題の現状についてお話しされました。

プライマリ・ケア(多様な健康上のニーズに対応するための幅広く行う総合的な医療)で診る患者さんの半数は女性で、年齢・ライフステージによって健康問題は変化するといいます。妊娠前・産後のケア、産後うつ、不妊の相談など女性特有の問題は、へき地で対応できていない場合が多く、今後の課題であるとお話しされました。

イベント

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先生方の講話の後は、三ツ木先生と伊藤先生に学生からの質問に答えていただく時間が設けられました。学生からはへき地での勤務体制や患者さんとの関わり方などの質問が挙がりました。

三ツ木先生は、現場の医師は不安を感じている部分もあるが不安が成長に繋がっている、専門的な知識を身につけるだけでなく地域の患者さんと向き合う姿勢を大切にしてほしいとお話しされました。

続いて、自治医科大学と群馬大学の学生が合同で研修報告会を行いました。

一人ずつ簡単な自己紹介を行った後、診療所や病院で行った実習の内容や自身が感じたこと、地域医療に対する思いを語りました。

学生からは、実際のへき地医療を肌で感じることができて将来のイメージをつかむことができた、勉強のモチベーションが上がった、などの声が挙がりました。

イベント

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イベント

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今回の「地域医療体験セミナーin草津」は、学生が実際にへき地での医療を体験し、地域医療に対して考えを深める貴重な機会となりました。

セミナー終了後、学生のみなさんは西吾妻福祉病院から草津ホテルへと移動し、地域医療に従事する医師や群馬県医務課職員等とともに、自治医科大学 高久名誉学長を囲み、互いに交流を深めました。 (『自治医科大学 高久名誉学長を囲む会』のレポートはこちら)

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