アレルギー性鼻炎とは、アレルギーの原因になる物質(アレルゲン)が鼻の粘膜から体に入ったことで免疫反応が起こり、くしゃみ、鼻水や鼻づまりなどの症状が生じる病気です。1年中症状が出る“通年性”と花粉症など特定の時期だけ症状が現れる“季節性”とがあり、原因となる物質の種類や、症状に合わせて治療方針が決定されます。このページでは、アレルギー性鼻炎が疑われる際の対応や病院を受診する目安などについてお伝えします。
くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどのアレルギー性鼻炎の症状を治すためには、病院を受診して治療方針を決定する必要があります。病院では医師が症状の状況を把握したうえで検査などを用いてアレルギーの原因となる物質を調べ、これらを総合的にみて治療方針を検討します。たとえば、鼻水の症状が強い方と鼻づまりの症状が強い方とでは処方される治療薬が異なる場合もあります。また、同じ鼻水の症状がある方でもその重症度によって提案される治療方針が異なるケースもあります。
さらに、アレルギー性鼻炎には、ダニやカビのほか、スギやブタクサの花粉など、アレルギーの原因となる物質が数多くあります。原因となる物質によっては、それに特化した治療方法が存在するケースもあるので、病院を受診し、アレルギーの原因となる物質を調べることで、治療の選択肢が増える可能性もあります。そのため、気になる症状がある場合は自己判断で購入した市販薬に頼るのではなく、まず受診をして医師に相談しましょう。
くしゃみ、鼻水、鼻づまりなど、アレルギー性鼻炎と考えられる症状がある場合は耳鼻咽喉科を受診しましょう。また、病院を受診する目安としてはくしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状が1週間以上続く際に受診を検討しましょう。アレルギー性鼻炎には、通年で症状が出る“通年性”と花粉症のように特定の時期だけ症状が出る“季節性”とがあります。そのため、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状が一定期間に生じた後はいったんは治まっても、その後再び同様の症状に悩まされる可能性があります。病院ではアレルギー検査を実施し、アレルギーの原因となる物質をできる限り調べたうえで、原因や症状などから治療方針を決めていきます。
アレルギー性鼻炎にはさまざまな治療薬が処方されます。以下では代表的なアレルギー性鼻炎の治療薬について、飲み薬と点鼻薬に分けてお伝えします。
アレルギー性鼻炎は市販薬も販売されていますが、これらを自己判断で購入し服用する前にまずは医師による正確な診断を受けましょう。前述の通りアレルギー性鼻炎は人によってアレルギーの原因となる物質が異なるほか、症状も人それぞれであるため処方される薬の種類が異なります。場合によってはアレルギー性鼻炎でない可能性もあります。そのため、むやみに市販薬を購入して服用しても症状が治まらず「薬が効かない」と感じる可能性があります。すでに市販薬を服用している人で「薬が効かない」と感じている人も一度医師による正確な診断を受けるとよいでしょう。
アレルギー性鼻炎の薬物療法は症状を和らげる治療であり、根本的にアレルギー性鼻炎を治す治療ではありません。そのため、薬を飲むことをやめてしまえば効果がなくなり、症状も元に戻ってしまいます。
症状が1年中続く通年性のアレルギー性鼻炎の方は1年を通して症状が強く出る場合は継続的に薬を飲む必要があるでしょう。一方、花粉症など特定の時期だけ症状が現れる季節性のアレルギー性鼻炎の方の場合は花粉など原因となる物質の飛散が始まる頃から服用をはじめ、シーズンを終えたら服用をやめるのが一般的です。薬の服用期間はアレルギーの原因となる物質の飛散量やその人それぞれの症状の出方によっても異なるため医師に相談しましょう。
以上のように、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状が続き、アレルギー性鼻炎が疑われる場合は自己判断で市販薬を購入し服用するよりも耳鼻咽喉科を受診し自分に合った治療方針を医師に相談しましょう。耳鼻咽喉科ではアレルギー検査やその他の診察によってアレルギー性鼻炎を診断し、その原因となる物質を調べることが可能です。また、症状が重い場合にはアレルゲン免疫療法や手術療法など薬物療法以外の治療方法が提案される可能性もあります。
九州大学病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 講師
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