目のかゆみや充血で苦しんでいる方は非常に多いのではないでしょうか。アレルギー性結膜炎の治療の目的は、これらの症状を軽くすることです。本記事では、アレルギー性結膜炎の治療と予防について順天堂大学医学部附属浦安病院眼科 教授 海老原伸行先生にお話しいただきました。
薬物療法の目的は、日常生活に支障がないように、かゆみなどの症状を軽くすることが中心となります。用いられる主な薬剤は抗アレルギー点眼薬です。重症の場合には、ステロイド点眼薬を使用する場合があります。
日本で使われる抗アレルギー点眼薬は現在約10種類あり、抗ヒスタミン薬とケミカルメディエータ遊離抑制薬に大きく分類されます。抗ヒスタミン薬はアレルギー症状の原因となるヒスタミンを抑制するはたらきがあります。ケミカルメディエータ遊離抑制薬は、肥満細胞から遊離・放出されるケミカルメディエータと呼ばれる物質を抑制するはたらきがあります。
現在は、抗ヒスタミン薬の点眼薬が主流となっていて、かゆみや充血に対して即効性があるといわれています。また、防腐剤の有無やしみるもの・しみないものなど、点眼薬によって特徴がありますので、患者さんに合った点眼薬を使用するのがよいのではないでしょうか。
症状があらわれやすい時期が予測できる季節性のアレルギー性結膜炎(花粉症)には、「初期療法」が行われる場合があります。すべての方に適応になるのではなく、症状が毎年重症の方、その年の花粉の飛散量が多いと予想される場合に行われることがあります。
症状が出る前、花粉が飛散する時期の約2週間前から、抗アレルギー点眼薬による治療を始めます。初期療法によって花粉飛散時や飛散ピークのときの症状が軽くなります。抗アレルギー点眼薬は比較的副作用の少ない薬ですが、眼科医の指示に従って使用することが重要です。
順天堂大学医学部附属浦安病院 眼科教授
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