症状
原因となる病原体を摂取してから1〜2週間の潜伏期間を経た後に下痢を主要症状として発症します。下痢は基本的には水様性もしくは泥状便、脂肪便であり、血液が混じることはありません。下痢の回数は数回から20回以上とさまざまです。下痢以外にも消化器症状として吐き気や腹痛をみることもあります。その他、下痢に伴う脱水、体重減少なども起きることがあります。
病原体を摂取しても必ずしもジアルジア症を発症するとは限りません。むしろ健康な方では症状が出ないこともまれではありません。しかし、無症状であるから大丈夫というわけではなく、病原体を周囲にまき散らし感染源となりうるという観点から、集団衛生的には大きな問題となりえます。
その一方、免疫機能が低下した方が罹患すると症状が重篤になる傾向があります。ジアルジア症は同性愛者において発症しやすく、HIV保持者にみることもまれではありません。エイズ発症時には重篤になりやすいため、注意が必要です。腸管内の免疫状態は、IgAを中心とするガンマグロブリンが重要な役割を担っています。したがって、分泌型IgA低下症や低ガンマグロブリン血症といった病気を有する方がジアルジア症を発症した場合にも、病状が重篤化しやすいため注意が必要です。
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