概要
スモンとは、SMON(subacute myelo-optico neuropathy、亜急性脊髄・視神経、末梢神経障害)という略語のアルファベットをカタカナ読みした病気のことです。
この病気は昭和30年~40年代にかけて日本各地で流行したもので、原因が当初は不明だが特徴的な症状が現れる病気ということでスモンと呼ばれました。のちに、この病気は製薬会社が製造し販売していたキノホルムとよばれる有機化合物であることがわかり、薬害であることがわかりました。
原因
スモンはもともとおなかの調子を整える整腸剤として販売されていたキノホルムという有機化合物が原因であることが判明しています。当初は原因不明の風土病とされ、発症者が多かった土地の名を取って釧路病または戸田奇病と呼ばれることもありました。ウイルス原因説も出ましたが、現在ではキノホルムが原因と判明しています。
現在はキノホルム自体の製造と販売が中止されているので、新たに発症するケースはありません。キノホルムについては、それ自体が有害物質そのものであるわけではなく、実はキノホルムによってビタミンB12という重要なビタミンが不足することが発症の原因であることもわかってきており、同時にビタミンB12を補充すれば発症を抑えられるとも言われています。
症状
スモンの症状は、下痢、腹痛などの腹部症状に対して整腸剤であるキノホルムが投与された数週後から両脚に異常なしびれや脱力感、立ったり歩いたりするのが困難になり、重症になると両足が完全にまひしたり視力の障害をきたします。
検査・診断
スモンの診断のためには、まずキノホルムを処方されたことがあるかどうかを確認することが重要となります。
また、スモンと似たような神経の異常をきたす病気は変性疾患やその他の中毒などたくさんありますので、血液検査や頭部CTやMRIなどの画像診断も行うことによってその他の病気であることを否定することが重要です。
治療
新規の患者さんは全くいませんので、スモンの治療は、かつてキノホルムを処方されて発症し症状が慢性化した患者さんに対する対症療法としての治療となります。
神経の症状に対してはノイロトロピン注射・錠剤、抗うつ剤、さらに鎮痛剤投与やハリ療法が行われます。スモン・リフレッシュ体操も考案されています。
医師の方へ
スモンの詳細や論文等の医師向け情報を、Medical Note Expertにて調べることができます。
「スモン」を登録すると、新着の情報をお知らせします
関連の医療相談が10件あります
6か月健診で大泉門が狭いと言われた
先日、6か月健診の際、小児科の先生に大泉門が5ミリ程しか無く、早く閉じすぎると将来的に頭蓋骨縫合早期癒合症になる可能性があると言われました。 兄弟が3人いますが、確かに他の子と比べると若干では、ありますがおでこが少し前に出ていて、後ろの頭が出ているように感じます。 今すぐに病院に行く必要はないとは言われましたが、その先生からは20年子ども達を見てきたが、こんなに大泉門が狭いのは初めてと言われ、心配しています。 様子を見るべきかアドバイスを頂ければと思います。
3日前から後頭部の右下がズキズキ痛い
後頭部の右下あたりが3日前からズキズキと痛い。 肩こりかと思って肩を揉んでも頭痛薬飲んでも治らない。 なぜ頭痛が起こるんでしょうか?
腎臓結石の治療について
他病気の疑いがあり、CTを受けたのですが、その際に腎臓に結石があるのが偶然見つかった、と言われました。 先生からは現状では治療の必要がなく、尿管に落ちてくるかどうかもわからない、と言われました。 そこで疑問なのですが、 ①CTは内科で受けたのですが、泌尿器科の診断を受けた方がよいでしょうか? ②経過観察は、健康診断を受ける1年に1回エコーを受ける程度でいいのでしょうか?(そもそもエコーでは結石があるのがわかっていない) ③尿管に落ちると激痛を伴うようですが、回避する方策はないのでしょうか? ご回答いただけると幸いです。
精液が黄色い
数年前から精液に色がついている自覚がありましたが、だんだん色が濃くなって、現在はレモンより濃くミカンより薄い感じです。今年3月の人間ドックでの血液検査ではビリルビン値が2.5ですが、尿検査でのビリルビンは(ー)だったので、体質的黄疸の可能性が高いという所見がありました。これの影響でしょうか。本来の色に戻すには治療が必要でしょうか。アドバイスいただければありがたいです。
※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。