概要
女子顔面黒皮症とは、女性の顔面に見られる色素沈着のことを指します。「リール黒皮症」と呼称されることもあります。
主に、化粧品などの成分が肌に合わないことが原因で引き起こされる状態で、ホルモンのバランスや紫外線などが影響することもあります。
頬や鼻の頭、また首や腕などに色素沈着が生じることがあり、外見からわかる変化であるため心理的なストレスを感じることもあります。
原因
女子顔面黒皮症は、化粧品に含まれる各種成分を原因として引き起こされます。化粧品には香料や防腐剤などの多種多様な成分が含まれており、これら成分に対して過剰な反応を示すことで引き起こされます。
問題となりうる成分は、基本的に化粧品には使用できないように規制されていますが、個人的な素因をもとにして問題となる反応を示すこともあります。ホルモンバランスの変化が関係することもあり、妊娠中や避妊薬の使用などに関連して生じることもあります。
また、紫外線が発症に関与していると考えられています。皮膚の変化には、メラノサイトと呼ばれる色素細胞が関与しており、これらの要因に反応する形でメラノサイトが活発化することで、皮膚色の変化が生じます。
症状
頬や額、まぶた、鼻の頭を中心として褐色調の色素沈着が生じます。同じような皮膚の変化が、首や腕などに生じることもあります。
見た目にわかる変化であり、特に人の目にも触れやすい顔面に生じるものであるため、整容的な意味合いで影響が生じる状態といえ、心理的なストレスがもたらされることもあり、恥ずかしさや人に見られたくない気持ちから、抑うつ気分などを生じることもあります。
検査・診断
女子顔面黒皮症は、化粧品の使用状況やその成分、皮膚の見た目の変化などを詳細に観察することで病気の存在が疑われます。顔面の皮膚色が変化する病気は他にも存在するため、皮膚以外の症状や身体所見を評価することも重要です。
原因と思われる化粧品・成分が想定される際には、その成分に対しての反応性を確認するためのパッチテストも考慮されます。場合によっては、皮膚の一部を採取する皮膚生検による病理組織検査が行われることもあります。
治療
検査などにより皮膚変化をもたらしている化粧品の存在が疑われる場合には、その化粧品の使用を中止することが治療につながります。
また、紫外線を避ける、避妊薬の使用を控えるなどの対策が検討されることもあります。
その他にも、ステロイド外用薬などの外用治療や、場合によってはレーザーによる治療が検討されることもあります。治療方法は症状などによっても異なるため、医師としっかり相談したうえで検討することが大切です。
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