しきそちんちゃく

色素沈着

最終更新日:
2024年04月16日
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2024/04/16
更新しました
2020/09/15
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概要

色素沈着とは、皮膚の一部の色が濃くなる現象です。

色素沈着には限局性のものと広範囲に生じるびまん性のものがあります。限局性の色素沈着は、皮膚の炎症や外傷、紫外線に対する反応として生じ、びまん性の場合はホルモン分泌異常や薬による影響、腫瘍(しゅよう)などが原因と考えられています。

このうち、もっとも多くみられるのは紫外線にさらされることで、メラノサイトという細胞から生成される“メラニン色素”の過剰な蓄積によって生じるケースです。紫外線にさらされるとメラニン色素が多く生成され、その結果皮膚の色が黒っぽくなります。

治療は原因によって異なるものの、状態に応じてビタミンCやトラネキサム酸などの内服やレーザー治療などが行われます。

原因

色素沈着が生じる範囲により以下のような原因が考えられます。

限局性の色素沈着

限局性に認める色素沈着は、火傷や切り傷などの外傷やニキビなどの炎症、全身性エリテマトーデス皮膚筋炎黒色表皮腫などの病気、紫外線にさらされることで生じることがあります。このうち、もっとも多くみられる原因は紫外線による加齢変性です。皮膚が紫外線にさらされることで、表皮の奥深く(基底層)に存在するメラノサイトからメラニン色素が生成されます。メラニン色素は瞳や毛髪、皮膚を色付ける色素で、過剰に生成されると皮膚が黒っぽくなることがあります。

このほか、薬剤誘発光線過敏症、先天性光線過敏症、色素性乾皮症などの病気によって発生することがあります。

びまん性の色素沈着

広範囲に認めるびまん性の色素沈着には、ホルモン分泌異常、薬や化学物質による影響が関与していると考えられます。

ホルモン分泌異常では、妊娠やホルモン避妊薬の使用、“アジソン病”などの病気によってホルモンの分泌量が変化し、メラニン色素の生成が増加することで色素沈着が生じます。

色素沈着を生じる可能性がある薬や化学物質には、一部の抗がん薬や抗うつ薬、細菌感染症に使われるテトラサイクリン系抗菌薬、抗マラリア薬などが挙げられます。

症状

色素沈着では、皮膚の一部の色が濃く変色します。色素沈着を生じる部位は、ニキビなどの炎症を起こした部位や日光にさらされた部分など、原因によって異なります。また、色素沈着は正常な皮膚だけでなく、そばかす肝斑(かんぱん)、黒子などの部位に生じることもあります。黒色表皮腫では首筋や(わき)の下などが厚くなり、色が濃くなります。

検査・診断

色素沈着は視診で診断可能であり、通常特別な検査は行われません。

しかし、何らかの病気によって色素沈着を起こしていると考えられる場合は、原因となる病気を特定するための皮膚生検を行い病理診断が必要なことがあります。

治療

色素沈着では、症状に応じた薬物療法やレーザー治療などが行われます。

薬物療法では、ビタミンCの内服やトラネキサム酸、ハイドロキノンなどの外用薬が用いられます。

レーザー治療では、医療用レーザーを患部に照射し、蓄積したメラニン色素を徐々に排出する効果が期待できます。

このほか、薬液を皮膚に塗布し、古くなった角質を剥がすケミカルピーリングや、光線を照射して代謝を促す治療が行われることもあります。

セルフケア

紫外線や炎症などに伴う色素沈着を予防するためには、紫外線対策や原因となる刺激から皮膚を保護する必要があります。

紫外線は通年を通して降り注ぐため、季節を問わず日焼け止めや日傘などを用いて紫外線対策を行いましょう。また、黄色人種である日本人の皮膚は洗顔時の刺激や下着による摩擦などの刺激で容易に色素沈着を起こし、摩擦黒皮症と診断されることがあります。洗顔は擦りすぎず優しく行い、洗顔後も柔らかいタオルを使って優しく水分を拭き取ることが有効です。きついと感じる下着はサイズを見直し、適切なサイズのものを着用しましょう。

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