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色素沈着を改善するには ~セルフケアにはターンオーバーの正常化が重要。薬の種類も解説~

色素沈着を改善するには ~セルフケアにはターンオーバーの正常化が重要。薬の種類も解説~
尾見 徳弥 先生

クイーンズスクエアメディカルセンター皮膚科

尾見 徳弥 先生

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色素沈着とは、何らかの原因で皮膚の色調が変化してしまう症状のことで、多くはメラニン色素の産生と沈着によるものです。色素沈着は皮膚の防衛機能の1つであり、それ自体は健康に害を及ぼすものではありません。しかし、見た目の印象を左右するものであるため、まずはセルフケアによる改善を目指す人も多いでしょう。

色素沈着をセルフケアによって改善するためには、どのような取り組みが有効なのでしょうか。

色素沈着はさまざまな原因で発生するもので、日常のちょっとした生活習慣が原因になることが多いといわれています。

色素沈着の原因の多くを占めるメラニン色素は表皮の最深部にあるメラノサイトから日々産生されていますが、健康な皮膚は“ターンオーバー”と呼ばれる皮膚の生まれ変わりサイクルで定期的に新しい皮膚に生まれ変わり、メラニン色素も排出されています。

しかし、加齢や生活習慣の乱れで皮膚のターンオーバーのサイクルが乱れてしまうとメラニン色素が排出されなくなり、色素沈着として定着してしまいます。そのため、色素沈着を改善するにはターンオーバーを正常化し、メラニン色素の生成を減らすような工夫が必要です。

色素沈着のメカニズムは原因によって異なりますが、ほとんどにメラニン色素の生成が関わっています。メラニン色素は皮膚を保護する役割を持ち、さまざまな刺激から皮膚を守るために生み出されることが分かっています。

メラニン色素を生み出すきっかけの多くは、紫外線、炎症、摩擦など、日常生活の中でもたらされるものです。

メラニン色素の生成が盛んな状態では、皮膚のターンオーバーが繰り返されても色素を排出しきることができないため、メラニン色素の産生を引き起こす原因を回避する工夫が大切です。

市販薬には、色素沈着に効果が期待できるものがいくつかあります。薬局やドラッグストアなどで手軽に手に入れることができるので活用してみてもよいでしょう。

症状によって有効な薬が異なるため、購入の際には薬剤師に相談するようにしましょう。

内服薬

ビタミンCやビタミンE、L-システインと呼ばれる成分を含む飲み薬は、メラニン色素の生成を抑えたり、ターンオーバーを正常化したりする効果があります。

外用薬

ハイドロキノンには、メラニンの産生を抑えることにより色素沈着やしみなどを漂白する効果が期待できます。医薬品に含まれることがあるほか、化粧品などに含まれることもあります。

ただし、ハイドロキノンの副作用として肌のかぶれなどが見受けられることもあります。また、ハイドロキノン使用後に強い紫外線を浴びるとしみが濃くなる、肌に傷や湿疹などがあるときは使えないといった注意点もあります。肌に異常が現れたら医師の診察を受けましょう。

セルフケアは色素沈着を改善するための重要な取り組みですが、作用がマイルドであるため、すでに定着してしまった色素沈着には十分な効果が得られないこともあります。また、色素沈着の原因は多岐にわたるため、時には自己判断で誤った対策を続けてしまうことも少なくありません。

色素沈着は、皮膚科や形成外科で治療を受けることができます。病院で受けられる治療は作用が強力で、症状の見極めや副作用のケアに注意が必要ですが、詳しい原因を突き止めたうえでその人に合った治療が受けられるため、セルフケアよりも高い効果が期待できるでしょう。

色素沈着は日常の生活習慣が原因となって定着してしまうため、日頃から色素沈着を起こさないような生活を心掛けるとともに、皮膚を健やかに保つ生活習慣を心掛けることが大切です。

なかなか改善しない症状に悩んでいる場合は、医療機関の受診も検討してみるとよいでしょう。

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