がいしょう

外傷

概要

外傷とは、いわゆるけがの医学的な名前です。病気には大きく分けて、体の中で何らかの原因により異常な状態が生じてくる病気と、体の外から体に向けて何らかの原因が加わることによって異常な状態が生じてくる病気があります。

外傷とは、この体の外からの原因による病気です。けがと聞くと、頭や手足などの皮膚にあたるものを連想しますが、外傷は口の中や、肛門から直腸などの粘膜にも生じることがあります。一般には、やけど(熱傷)や感電電撃傷)とは異なり、外からの物理的な衝撃を原因とする病気のことを指します。

原因

外傷の原因は、体の外から物理的なエネルギーが加わることです。近年では、交通事故や転倒、工事現場や高所での作業中の事故などが主な原因ですが、事件や自傷行為としての切傷もみられます。

外傷の生じ方のことを受傷機転といいます。受傷機転には、鈍いものがぶつかる鈍的外傷や、尖ったものが刺さる鋭的外傷、細長いものが体に突き刺さる杙創(よくそう)、ナイフなどによって鋭く切れる切創(せっそう)や、斧のようなものによって割れる割創(かっそう)、砂利道などの荒い表面に擦れる挫傷(ざしょう)などがあります。

症状

外傷の症状は、骨やじん帯などの硬い組織におよぶと、骨折やじん帯断裂などが生じます。一方、筋肉や内臓に外傷がおよぶと組織の損傷や内出血が生じます。肝臓などの内臓に強い外傷が生じると、外からは見えませんが大量の出血がお腹の中に生じることがあり(腹腔内出血)、危険なショック状態になります。

また、切創で血管が破れて皮膚の外に出てくれば外出血となります。いずれも、強い痛みと腫れが生じてきます。

そのほか、頭部に強い外傷がおよんだ場合は外傷の程度にもよりますが、意識障害や呼吸抑制が生じることがあり、命にかかわることもあります。

検査

外傷の検査は、外傷が加わった部位を中心に診察や検査を行っていきます。

複数の部位に外傷が加わるときには、もっとも強い箇所だけの症状を訴えがちになることがあります。そのため、外傷の診断には全身の確認が重要となります。

特に、重症な外傷(交通外傷や高所からの転落・墜落などの高エネルギー外傷)に対しては、まず命にかかわるおそれがないかどうかを迅速に確認したうえで、詳細な問診と全身の確認を行うことが重要となります。

確認すべきものは、血管や神経、骨折の有無、さらに内臓の損傷や出血、気胸(肺をつつむ空間に空気が漏れ出て、肺が膨らむことができなくなる状態)などがないかどうかです。以上のようなことを確認するために、超音波検査、血液検査、X線写真撮影、CT検査などが行われます。

治療

外傷治療の第一は、まず生命を維持するための呼吸、循環、脳内病変に対する治療と体温管理などの全身管理です。そのうえで、異常な状態をひとつひとつ治療していきます。

気胸に対する治療では胸腔ドレナージ、出血に対しては止血術です。また、皮膚の傷に対しては洗浄や傷の処置、保護などがあります。

外傷の治療には多くの治療が発生するため、優先順位がとても重要となります。

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