だっきゅう

脱臼

最終更新日:
2023年04月20日
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2023/04/20
更新しました
2017/04/25
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概要

脱臼とは、関節が外れて骨が正常な位置からずれてしまった状態を指します。関節が少し外れた状態を“亜脱臼”、完全に外れた状態を“脱臼”として区別されていますが、本質的にはどちらも外傷です。

関節は骨と骨のつなぎ目にあたる部分で、人の体には肩や肘、股、膝、足首、手指、顎など、たくさんの関節があり、どの関節も脱臼する可能性があります。

原因はさまざまですが、いずれにしても外側に大きな力が加わることで生じ、脱臼を発症するとその部位に痛みや腫れ、可動制限などの症状が現れます。

全般的に若い人に多くみられ、若い人ほど再発しやすいといわれています。外れた骨を戻す(整復)ことで動かせるようになりますが、何度も再発を繰り返す場合や骨折を伴っている場合などには手術が検討されます。

原因

脱臼の主な原因となるのが、ラグビーやアメリカンフットボール、柔道、格闘技などのコンタクトスポーツです。肩や肘、手の指など上半身の関節の脱臼はコンタクトスポーツで起こることが多く、日常では強い力で手を引っ張られた際に、特に肩が脱臼することもあります。

膝関節(しつかんせつ)の脱臼はジャンプの着地などによくみられますが、生まれつき脱臼しやすい素因を持っている場合も多くあります。

顎関節の脱臼では、あくびや歯科治療などで口を大きく開ける動作によって正常な可動域を超えてしまうと、関節が外れ、口が閉じられなくなることがあります。

このような日常の動作やスポーツだけでなく、転倒や交通事故によって脱臼が起こる場合や、人工関節置換術の後、エーラス・ダンロス症候群など一部の病気が原因となる場合もあります。

症状

脱臼すると痛みが生じ、動かすと強く痛み、触れると圧痛を感じます。また、関節が外れた部位が変形してみえたり、時間の経過とともに腫れやあざなどの皮膚変化がみられたりするようになります。しびれや異常な感覚が現れることもあります。

多くの場合、関節の可動域が制限され、いつものようには動かすことができず、顎関節脱臼では口を閉じることができません。

無理に動かすと痛みが強くでるほか、周囲の血管や神経が傷ついてしまう場合があるため、脱臼したときには患部を固定して安静にすることが大切です。

検査・診断

通常、問診と身体診察によって脱臼を特定することが可能ですが、骨の位置や骨折の有無などを調べるために、X線検査が行われるのが一般的です。組織の損傷や骨折の状態など詳細に評価するために、CT検査やMRI検査が行われることもあります。

治療

医療機関における脱臼の治療では、外れた関節を元に戻す整復が行われます。場合によっては整復時に局所麻酔や全身麻酔が必要なこともあります。整復後には装具などを用いて関節が動かないように数週間固定します。

脱臼を繰り返している場合、脱臼しやすい素因を持っている場合、骨折を伴っている場合などには手術が検討されます。

手術の方法は、脱臼した関節の部位、病態、年齢などによって異なりますが、損傷した軟部組織や靱帯(じんたい)などを糸で縫合して正常な構造に近づくように修復する手術法が多く行われています。

また、手術後には関節機能の改善や関節周囲の筋力強化のためにリハビリテーションを行い、多くの場合3~6か月程度で復帰できるようになります。

応急処置

脱臼は自分の力で簡単に整復できることもありますが、正しく行わないと関節周辺の血管や神経などが傷ついてしまう恐れがあるため、無理に自分で整復せず、脱臼した関節が動かないように患部をなるべく楽な状態で固定し、すぐに整形外科を受診することが大切です。

固定するものとしては、患部の上下の関節を含めるくらいの長さ、幅、強度を持つものなら何でも構いません。棒、板、週刊誌、畳んだ新聞紙、包帯、タオル、ハンカチなどを上手く利用して固定しましょう。

予防

治療後には装具などを用いて固定する必要があり、この間は固定具をつけた状態で生活することになります。無理に動かすと再発しやすくなるため、自己判断で固定具を外さないようにしましょう。

また、固定具を外した後でも動作に気をつける必要があります。たとえば肩関節脱臼では、肩甲骨よりも後ろで手を使うと再発リスクが高まるため、物を取るときには体を回して前で取る、後ろに手をついて起き上がらない、ブラジャーのホックを後ろで付けないなど、しばらくは再脱臼をきたすような動作を避けることが大切です。

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