だっきゅう

脱臼

骨・関節

目次

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概要

脱臼とは、関節を構成する骨同士の位置関係がずれてしまうことを指します。脱臼が生じると、痛みや見た目の変形、関節の可動制限などが見られます。

脱臼は、肩や指に見られることが多く、そのほかにも肘、顎など、さまざまな部位で生じる可能性があります。ラグビーやフットボールなど、強い衝撃が加わる可能性があるスポーツに関連して生じることが少なくありません。

脱臼を起こした際には、適切な治療を受けることで関節の位置関係を戻すことが必要です。これによって、関節の機能が元通りになることが期待できる一方、中には脱臼がクセになってしまう方もいます。最大限の治療効果を期待するためにも、脱臼が疑われる際には早い段階で医療機関を受診することが大切です。

原因

脱臼は、主にラグビーやフットボール、アイスホッケー、バスケットボールなど、スポーツを通して関節に強い力が加わることで生じることがあります。すなわち、コンタクトスポーツによって生じることがある脱臼ですが、力が加わる部位によって、肩や指、肘などの関節において脱臼が見られます。

そのほか、自動車事故によって脱臼が引き起されることもあります。たとえば、自動車追突事故で、助手席の同乗者の膝にダッシュボードがあたり、股関節が後方へ脱臼するダッシュボード損傷が起こります。また、転倒したときに手をついた弾みで、異常な力が関節にかかることがあります。そのことをきっかけとして、脱臼が生じることもあります。

また、人工関節置換術を行った関節においても手術後に脱臼が生じることもあります。そのため、人工関節置換術を受けた際には、足を組む、過度に関節を伸ばす、などの動作を避けることで脱臼を予防することが求められます。

症状

脱臼を生じると、関節に痛みが起こります。脱臼を生じた際には、関節が外れる感覚を覚えることや、外れた際の音が聞こえることもあります。また、時間経過と共に、局所の腫れが生じたり、外から見て変形しているように見えたりすることもあります。

関節は、一定の方向に動かすことで、ものを持つ、手を上げる、歩く、などの動作が可能となります。しかし、脱臼を生じると、こうした基本的な関節の動作が制限されることがあります。その結果、日常生活を送るのに支障が生じ、生活の質が大きく障害されることもあります。

また、脱臼を一度起こすと、場合によってはクセになって何度も繰り返すことがあります(反復性脱臼)。たとえば、肩関節において脱臼を繰り返すようになると、くしゃみや寝返りなどのちょっとした動作に伴って脱臼をきたすこともあります。

検査・診断

脱臼は、スポーツ中や交通事故、転倒後などに急激な様式で発症します。そのため、症状が出現した前後の状況を詳細に評価することは、脱臼を疑う上で重要なことであると言えます。

症状に加えて身体診察から脱臼が疑われる状況では、脱臼が疑われる関節に対してのX線(レントゲン)撮影が検討されます。また、骨折の有無、筋肉や神経などへの損傷状況などを含めてさらに詳細に評価するために、CTやMRI検査といった画像検査が検討されることもあります。

治療

脱臼を発症したときには、緊急処置として局所の安静を保つことが重要です。脱臼が疑われる部位を氷水の入った袋などで冷やしながら、包帯などで固定をすることが大切です。こうした応急処置を行いながら、早期に医療機関を受診することが大切です。

医療機関においては、脱臼が生じた関節の状態を詳細に評価し、骨折や神経損傷などもないかを見極めつつ、関節の位置関係を元に戻すための整復が行われます。脱臼を無理に自分で整復しようとすると、不意に筋肉や神経などを傷つけてしまうことがあります。そのため、必ず専門の施設にて整復を行うことが大切です。時に、麻酔をかけないと整復できない場合もあります。

整復が終了した後は、関節の安静を保ちながら、保存的に回復するのを待つことがあります。経過中には脱臼の再発に注意しながら、リハビリテーションを導入することも求められます。自己流のリハビリを行うのではなく、専門の知識を有する理学療法士や作業療法士の指示のもと、適切なリハビリを継続することが重要です。

また、中には脱臼がクセになることもあります。脱臼の再発のリスクを軽減させることを目的として、手術療法が選択されることもあります。手術を行うかどうかは、患者さんの年齢や職業、スポーツを行うかどうかなどに合わせて、最終的に決定されます。

脱臼は、スポーツ従事者はもちろん、普段の生活の中でも生じる可能性がある状態です。一度脱臼が疑われた際には、早期に医療機関を受診することがとても重要です。