えーらす・だんろすしょうこうぐん

エーラス・ダンロス症候群

最終更新日
2017年04月25日
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2017/04/25
掲載しました。

概要

エーラス・ダンロス症候群 (Ehlers-Danlos syndrome: EDS) は、皮膚や骨、血管、さまざまな臓器などを支持する結合組織が脆弱(ぜいじゃく)になる遺伝性の病気で、指定難病のひとつです。

原因や臨床症状、遺伝形式の違いに基づき、複数の病型に分類されています。1998年の発表では6病型とその他の病型に分類されていましたが、2017年に改定されて13病型になりました。すべての病型を合わせると、世界的にみて5,000人に1人程度の有病率であると推定されています。

原因

エーラス・ダンロス症候群は、遺伝子の変異によって起こる病気です。発症に関連する原因遺伝子が複数報告されています。たとえば、病型のひとつである古典型については、COL5A1COL5A2といったⅤ型コラーゲン遺伝子上における異常が認められます。

ほとんどがコラーゲン生成に関わるもの、もしくはコラーゲンの成熟に必須の酵素生成に関わる遺伝子です。これらの遺伝子に異常が起こることで、コラーゲンや結合組織の構造や強度を保つためのさまざまな成分の生合成が阻害され、その結果、エーラス・ダンロス症候群が引き起こされると考えられます。

症状

エーラス・ダンロス症候群で共通して認められる症状として、関節の過伸展性、皮膚の過伸展性ならびに組織の脆弱性があげられます。関節を支える結合組織がもろくなることから、関節は正常な可動域を超えて動き、脱臼しやすくなります。皮膚は健常の方と比べて非常に伸びやすく、感触は柔らかでなめらか、もろくて傷がつきやすい、治りにくいといった特徴が認められます。各病型においては特徴的な症状が現れ、程度には個人差があります。

また、病型にもよりますが、エーラス・ダンロス症候群で問題となる症状のひとつは、血管が脆くなることです。特に血管型では動脈解離や破裂、筋拘縮型では巨大皮下血腫ができることがあり、予防や早期の適切な対応が必要になります。

検査・診断

エーラス・ダンロス症候群の診断時には、特徴的な臨床症状や病歴・家族歴からこの病気の可能性が考えられ、さらにいずれの型に該当するかが検討されます。

共通して認められる関節症状や皮膚症状に関しては、関節の可動性や皮膚の過伸展、萎縮性瘢痕(いしゅくせいはんこん)などの有無を調べます。皮膚組織の一部を採取する皮膚生検や、採取した細胞や尿の成分を調べる検査などが行われる場合もあります。心臓のエコーやCT、MRI、骨のレントゲン写真などの画像検査も検討されます。

また、コラーゲンの生成や成熟に重要なタンパクや酵素に関わる遺伝子異常が複数みつかっていることから、遺伝子に異常がないかどうかを調べる場合もあります。

治療

エーラス・ダンロス症候群の治療については、それぞれの症状に応じた対症療法が中心となります。痛みが強い場合には鎮痛剤、血管がもろくなる場合は血圧を下げる薬の処方が検討されます。

また、皮膚や関節、血管が脆弱であることから、激しい運動を避ける、サポーターを装着するといった予防も重要です。病型によって症状や経過が異なるので、正確な診断と適切な管理が必要となります。

たとえば、血管型の場合には、動脈解離、動脈瘤、動脈破裂、腸管破裂、妊娠時の子宮破裂といった重篤な合併症をきたす恐れもあるため、専門医による定期的なフォローが必要です。

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