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どうみゃくりゅう

動脈瘤

最終更新日
2020年06月01日
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2020/06/01
掲載しました。

概要

動脈瘤とは、動脈(心臓から全身に血液を送る血管)の一部の壁が薄くなり、薄くなったところがこぶのように膨らんだ状態です。こぶの壁は薄いため、圧が掛かると破裂して血液が漏れ出し、それ以降の臓器に送られる血液が少なくなります。全身のどの血管にもできる可能性がありますが、脳・心臓などの重要な臓器や大動脈にできた動脈瘤が破れた場合には、大出血を引き起こし、死に至る危険性が高くなるため注意が必要です。

原因

動脈瘤の形成には、血管が固くなる動脈硬化やけが、血管炎(血管の炎症)で血管が傷つくことなどが関係していると考えられています。また、遺伝的に血管が弱いことも関与している場合があります。

血圧が高いと血管の壁に掛かる力が大きくなります。血管が脆くなると、高い圧力に対応することができなくなり、徐々に血管が広がり、やがて動脈瘤が形成されるようになるのです。そのため、動脈瘤は血管の枝分かれ部分や物理的に力が掛かる部位にできやすいといわれています。

症状

動脈瘤だからといって必ず症状があるわけではなく、何も症状が現れないことも少なくありません。しかし、動脈瘤のできる位置や大きさによっては、さまざまな症状が現れることもあります。

脳の血管にできる脳動脈瘤は目を動かす神経(動眼神経)の近くにできるため、大きくなると神経を圧迫するようになります。その影響で眼球の動きが制限されるため目の位置がずれ、物が二つに見えたり、まぶたが垂れて瞳が大きく開いたままになったりする場合もあります。また、脳動脈瘤が破裂して出血した場合にはくも膜下出血となり、頭痛・意識障害などを引き起こします。しかし、脳動脈瘤であれば必ず症状があるわけではなく、無症状のこともあります。

胸部や腹部の大動脈という太い血管に大動脈瘤ができると、鈍い痛みを感じる場合もありますが、無症状のことも少なくありません。破裂すると強い痛みと共に大量の血液が体内に噴き出し、それ以降の血流がなくなるため、ショック状態になって意識を失い、死に至ることもあります。

また、目の奥にある網膜に網膜細動脈瘤ができて破裂すると、眼球内部のスペースに血液が舞い飛ぶため、目の前を虫が飛んでいるように見えること(飛蚊症)があります。

検査・診断

脳動脈瘤の場合、無症状のまま脳ドックなどで見つかるか、頭痛など何らかの症状があってMRIやMRAという画像検査が行われた場合にたまたま発見されることが少なくありません。

腹部・胸部大動脈瘤は、自覚症状が乏しく、健康診断で行われる腹部超音波検査(エコー)や腹部のCTを撮影した際に偶然発見されるケースが多く、腹部触診の際に動脈瘤が疑われることもあります。

心臓の血管にできる冠動脈瘤は、川崎病など血管の炎症が起こった後、血管の壁が弱くなってできる場合が少なくありません。そのため、川崎病にかかった場合には、心臓のエコー検査や冠動脈造影(血管にカテーテルという管を入れ、管から造影剤を噴射して血管の内腔の形を見る検査)、CTやMRIを行って動脈瘤がないか検査します。

網膜の動脈瘤は、人間ドックなどの眼底写真で見つかる場合もあり、眼科で眼底検査を受けて偶然発見される場合もあります。糖尿病を発症していると毛細血管瘤ができやすいため、症状がなくても定期的に眼底検査を行います。破裂して硝子体出血となり、手術で血液を取り除いて初めて見つかる場合もあります。

治療

脳動脈瘤が破裂前に見つかったときは位置や大きさを把握し、無症状の場合はどの程度の破裂リスクが考えられるかを評価し、医師と相談のうえで治療するかを決めていきます。この場合は治療をせずに経過観察を行い、破裂を予防するために血圧管理などを行うこともあります。治療する場合は、手術で動脈瘤の根本に金属製のクリップを掛け、血流を止める“クリッピング術”か、足の付け根からカテーテルという管を入れて動脈瘤の内部に動脈瘤を詰まらせる物質を埋め込む“コイル塞栓術”を行います。脳動脈瘤が破裂した場合は、脳の圧を下げる治療を行い、緊急で上記の治療することもあります。

胸部や腹部の大動脈瘤の場合、大きさによってはこぶの部分を切り取り、人工血管に置き換える手術をすることもあります。破裂した場合には、緊急で血管の破れた場所をふさぐ手術を行いますが、治療が間に合わず亡くなることもあります。

網膜の動脈瘤の場合、レーザー光線で動脈瘤を焼きつぶす治療を行う場合もあります。破裂して多量の血液が眼球内に見られる場合、自然に血液が吸収されるのを待つか、硝子体手術で血液を除去する治療が行われます。

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