えーらす・だんろすしょうこうぐん

エーラス・ダンロス症候群

監修:

症状

エーラス・ダンロス症候群の患者の多くに認められる症状として、関節の過伸展性、皮膚の過伸展性ならびに組織の脆弱性があげられます。関節を支える結合組織がもろくなることから、関節は正常な可動域を超えて動き、脱臼しやすくなります。皮膚は健常の方と比べて非常に伸びやすく、感触は柔らかでなめらか、もろくて傷がつきやすい、治りにくいといった特徴が認められます。各病型においては特徴的な症状が現れ、程度には個人差があります。

代表的な6つの病型に特徴的な症状は以下のとおりです。

関節過可動型エーラス・ダンロス症候群

全身の関節が柔らかく、脱臼・亜脱臼しやすいことが特徴的です。そのほか慢性的な体の痛みや、便秘や下痢を繰り返す機能性腸疾患、立ちくらみや動悸をはじめとする自律神経異常などがみられる方もいます。

古典型エーラス・ダンロス症候群

皮膚に関連する症状として、伸びやすく簡単に裂ける、凹んだ跡が残るなどの症状が現れます。血管の症状として内出血が生じやすくなったり、関節の症状として脱臼しやすくなったりします。そのほか、心臓に関連する症状が現れることもあります。

血管型エーラス・ダンロス症候群

重篤な合併症が起こりやすく、動脈解離、動脈瘤(どうみゃくりゅう)、動脈瘤破裂などの動脈病変や、腸管や子宮の破裂、気胸などが生じることがあります。そのほか、関節の柔軟さ(緩さ)、皮膚が薄い、内出血を引き起こしやすいなどの特徴がみられます。

後側弯型エーラス・ダンロス症候群

筋肉の緊張低下、全身の関節の柔らかさと脱臼、後側弯(背骨が左右方向と後方に曲がっている状態)などの症状がみられます。運動発達の遅れなどの症状がみられることもあります。

多発関節弛緩型エーラス・ダンロス症候群

全身の関節の柔らかさが主な症状です。亜脱臼(部分的な脱臼)を繰り返すほか、生まれつき股関節が脱臼していることもあります。そのほか、内出血しやすい、筋肉の緊張低下、側弯などの症状もみられます。

皮膚脆弱型

ほかの病型に比べて皮膚が弱いことが特徴です。皮膚が裂けやすくなるほか、見た目のうえでは、手首や足首の皮膚にたるみがみられたり、しわがみられたりします。そのほか、臍ヘルニア鼠径ヘルニア、成長に関する障害などの症状がみられます。

最終更新日:
2025年06月13日
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2025/06/13
更新しました。
2017/04/25
掲載しました。

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