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公開日 : 2017 年 01 月 15 日
更新日 : 2017 年 09 月 21 日

激しい痛みを伴う「肩関節の脱臼」をレントゲン写真でみる―原因や治療、整復、脱臼が癖になるメカニズムを紹介

目次

肩は身体のなかでも特に脱臼を起こしやすい部位です。脱臼したときには激しい痛みを伴い、回復までに時間がかかるケースが多くあります。

肩が脱臼しているかどうかは、どのように判断できるのでしょうか。また、治療はどのように進めていくのでしょうか。本記事では、肩の脱臼の症状と治療について、記事1に引き続き麻生総合病院 スポーツ整形外科部長 鈴木一秀先生に解説いただきました。

記事1は『肩の痛みは自然に治るの?症状の種類と対処法・治療方法・重症度を紹介』をご覧ください。

「肩関節脱臼」とは?

脱臼を起こした人

肩関節脱臼とは、肩の関節に過剰な力が加わったことによって、肩の骨の位置が正常な位置から、ずれてしまっている状態のことです。

脱臼は、骨のずれの程度によって「脱臼」と「亜脱臼」に大別できます。脱臼は「完全脱臼」とも呼ばれており、腕の骨が本来収まるべき関節部分から完全に外れてしまっている状態です。一方、亜脱臼は「不完全脱臼」とも呼ばれ、腕の骨が完全に外れてしまってはいないものの、本来あるべき位置からずれてしまっている状態です。亜脱臼の場合には患者さん自身でもとの関節の状態へ戻すことができてしまうケースもあります。

肩関節脱臼の症状は?

肩の関節が脱臼してしまうと、次のような症状がみられます。

・肩の動きに制限がかかっている

・肩に痛みを感じる

・肩が変形している

・肩や腕、指にしびれを感じるなど

肩関節脱臼を起こすシチュエーションとは

ほとんどの場合、日常生活で肩関節脱臼が起きることはありません。肩の脱臼は下記のような状況で発症しやすいと考えられています。

・衝突などが多い、いわゆるコンタクトスポーツを行ったとき

・大きな転倒をする可能性の高いスポーツを行ったとき

・日常生活で転倒し、腕を着いたとき

※コンタクトスポーツ・・・柔道・アメフト・レスリング・ラグビーといった衝突の多いスポーツ

※アイスホッケー・スノーボードといった転倒の多いスポーツ

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肩関節脱臼を「レントゲン写真」でみる

肩関節脱臼を起こしているとき、身体の中はいったいどのような状態になってしまっているのでしょうか。レントゲン写真を中心に、肩関節脱臼の症状を見ていきましょう。

肩関節脱臼(完全脱臼)の場合

正常な人の肩
レントゲン写真(健常人)
脱臼した人の肩
レントゲン写真(脱臼の症例)

こちらは正常の方と、脱臼の患者さんのレントゲン写真です。

正常な方では、肩甲骨の一部にある関節の受け皿(関節窩)に、上腕骨頭がきちんと収まっています。一方、脱臼を起こした患者さんでは、正常な位置から上腕骨頭が外れてしまっています。その結果、患者さんの肩の位置が少し下がった状態になります。※この患者さんは前方向に肩が外れる「前方脱臼」です。

脱臼した患者さん
脱臼患者さん写真(脱臼の症例)

後ろに外れる「後方脱臼」は見逃されがち

肩関節脱臼は、どの方向に外れたかによって大きく4つに分類されます。それぞれ「前方脱臼」「後方脱臼」「下方脱臼」「上方脱臼」といいます。ほとんどのケースは前に脱臼する「前方脱臼」です。

そのなかでかなり稀なケースである後方脱臼は、実はレントゲン撮影を行っても脱臼だとわかりにくいことがあり、見逃されてしまうことがあります。

後方脱臼をした患者さんの正面のレントゲン写真
レントゲン写真(後方脱臼を前から撮影したもの)

こちらは後方脱臼を体の前から撮影したレントゲン写真です。このように前方脱臼とは異なり、ぱっとみた印象では、脱臼しているように見えないことがあります。しかしよく見てみると、関節の受け皿の部分と、上腕骨頭の部分に、三日月状に濃い白色の形が映し出されています。

これはクレッセントサイン(三日月サイン)とよばれ、腕の骨が後ろに脱臼したことで、前から見ると骨が重なる部分ができることから、このようなサインが作り出されています。このような細かなサインは見逃されてしまうケースがあります。後方脱臼を見逃さないためには「レントゲン写真を横から撮影すること」が大切です。

後方脱臼した患者さんを横から撮ったレントゲン写真
レントゲン写真(後方脱臼を横から撮影したもの)

こちらは後方脱臼を横から撮影したものです。正面の写真からは脱臼がわかりにくくなっていましたが、横から見てみると脱臼していることがよくわかります。このほかにもCTを撮影することでも、後方脱臼を確実に診断することができます。

後方脱臼がまれなケースであることもあり、正面だけのレントゲン写真だけで「脱臼ではない」と診断されてしまうケースもあるので注意が必要です。

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