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うみ

最終更新日
2021年07月26日
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2021/07/26
掲載しました。

概要

膿は、免疫細胞、壊れた組織、死んだ細菌などを含む不透明な粘液です。見た目は黄白色や黄緑色などが多く、時に悪臭がすることもあります。炎症が起こったとき、特に細菌に感染した際に生じやすく、体の防御反応の結果として作られる自然な副産物です。一方で、膿が大量にたまると、痛みを感じたり、周囲の臓器が圧迫されてさまざまな症状を生じたりします。

炎症が治まれば膿も生じなくなるため、原因となる病気を治すことが重要となります。感染症の治療では、血液や膿に含まれる病原体を特定し、適切な治療薬を用いることで治癒を目指します。体の中に膿が大量にたまっている場合は、膿のたまっている部分に管を入れたり、皮膚を切り開いたりして膿を体の外に出す治療や、感染の起こっている皮膚などを切除する手術が必要となる場合があります。

原因

膿は、炎症が起こることで生じます。主に細菌への感染が原因となりますが、ウイルスや花粉などの異物が原因となる場合もあります。初めに感染が起こった部位のみで膿が生じることもあれば、感染が周りに広がって、元の感染部位とは離れた場所に膿がたまることもあります。一部の病気では、免疫力の低下や、喫煙、肥満、糖尿病、遺伝的な要因などがリスクとなる場合もあることが知られています。

皮膚にできた傷から細菌が侵入すると、傷口に膿が生じることがあります。また、皮膚の下にできた袋状の空間や、詰まった毛穴のような閉鎖された空間があると、内部で炎症が起こり、その中に膿がたまることもあります。口の中では、歯の神経まで進行した虫歯や歯周ポケットから細菌が侵入し、炎症を起こして歯茎の内部に膿がたまることがあります。尿道口から膿が出る場合は、性行為による淋菌(りんきん)クラミジアへの感染が疑われます。

体の中にある臓器に膿がたまる場合は、より体の表面にある臓器が先に感染を起こし、内側に感染が広がったことが考えられます。たとえば、脳には歯、鼻、耳などから感染が広がりやすく、また血流に乗って遠くの臓器から感染が広がることもあります。

感染がないにもかかわらず膿が生じる場合は、自己免疫疾患が原因である可能性もあります。また、膿が生じた原因がはっきりと特定できない場合もしばしばあります。

症状

膿は、皮膚、目、尿道、口の中、筋肉、脳、肺など、体のあらゆる場所で生じる可能性があります。膿が大量にたまると、その部位の本来の機能が障害されることがあります。また、膿は主に感染症による炎症によって生じるため、感染症の一般的な症状である熱や倦怠感、炎症部位の赤みや腫れ、痛みなどを伴うことが多くあります。

体の表面に出口がある場合は、膿が体外に排出され、時に悪臭を伴うことがあります。膿が出ている部分の皮膚や粘膜は赤くなったり、ただれたり、硬くなったりすることがあります。皮膚の下や歯茎の中に膿がたまると、その部分が赤く腫れたり、痛みを感じたりします。膿のたまり同士がつながって、皮膚の下で広範囲に広がることもあります。

体の内側で膿が生じた場合、通常は膿瘍(のうよう)と呼ばれる袋状の限られた範囲の中に膿がたまります。症状は膿瘍のできた場所や炎症の程度により異なります。たとえば脳に膿瘍ができると、頭痛や筋力低下、思考障害、けいれんなどが起こり得ます。脊髄(せきずい)(背骨の中を通る太い神経)の周りに膿瘍ができると、神経が圧迫されて下半身に麻痺が出たり、感覚がなくなったりすることがあります。そのほか、肺や肝臓、体の深い部分の筋肉など分かりづらい部分にできることもあります。病院でもなかなか見つけられずに診断まで時間がかかることもあります。

検査・診断

膿が生じている原因を調べるためには、炎症の程度を把握することと、感染している病原体を特定することが必要です。これらは、血液検査や、病原体の培養によって検査することができます。治療のためには膿がたまっている場所や広がりを正確に把握することも大切で、画像検査が用いられることがあります。

白血球の数の変化は、感染症の状態や原因、免疫の状態を推測するのに役立ちます。また、血液に含まれるCRPというタンパク質は、炎症が起こると増加することが知られています。血液検査ではこれらの値を中心に調べ、原因を探ります。感染が強く疑われるときは、血液や膿を採取して、中に含まれている病原体を特定するための検査を行います。

膿が体の内側にあるときには、膿がたまっている場所や広がりを調べるために、X線(レントゲン)やMRI、CTなどの画像検査が行われることがあります。

治療

膿の原因となっている炎症を抑えるために、感染症を治療することが主な治療となります。膿が大量にたまっている場合や、袋状の構造物を形成している場合には、外科手術が必要となることがあります。

炎症は自然に治まることもありますが、薬が必要となる場合も多くあります。原因と考えられる病原体に応じた適切な薬を用いることで、感染症の治癒を目指します。薬は内服薬の場合もあれば、軟膏や注射、点滴で投与される場合もあります。ほとんどの薬は血液の中に溶けている状態で効果を発揮しますが、膿の中には血管がなく血液が流れていません。そのため薬が効きにくく通常の感染症よりも多くの量が必要だったり、治療期間が長くかかったりすることがあります。

膿が大量にたまっている場合には、その箇所の皮膚を切り開いたり、体の中に管を入れたりして、膿を体の外に出す“ドレナージ”という治療が必要になる場合があります。また、膿がたまっていた袋を取り出したり、感染を起こしている皮膚を大きく取り除いたりする手術などが必要となる場合もあります。

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