原因
男性であるか女性であるかの性別の決定には、「染色体」、「性腺」、「身体的な性」の3つの要素が関与しています。「染色体」と「性腺」によって推定される性別と、「身体的な性」から推定される性別に不一致が生じている状態が仮性半陰陽であり、その原因は性の分化過程に深く影響されます。
性別を決定する染色体には「X染色体」と「Y染色体」が存在しており、「XY」であれば男性、「XX」であれば女性になるように方向付けられることになります。Y染色体には「SRY」と呼ばれる遺伝子が存在しており、SRY遺伝子が存在する男性(XY)では精巣が、SRYが存在しない女性(XX)では卵巣が形成されることになります(すなわち、性腺の性別が決定します)。
その後、精巣からは男性ホルモンを代表としていくつかのホルモンが分泌されることになり、身体的な性別が決定することになります。男性ホルモンが存在する状況では陰茎や陰嚢などが生成されるようになりますし、女性であれば子宮や膣、陰核、陰唇が形付けられることになります。
仮性半陰陽(すなわち、[46, XY, DSD]や[46, XX, DSD])では、こうした性別決定の過程に異常が生じることが原因として発症します。例をいくつか挙げると、男性仮性半陰陽(46, XY, DSD)の原因としては「完全型性腺異形成」があります。また男性ホルモンを産生する機能が低下している「アンドロゲン合成障害・作用異常」も男性仮性半陰陽を引き起こします。女性仮性半陰陽(46, XX, DSD)は、卵巣分化の異常やアンドロゲン過剰などが原因となって発症します。
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