せんてんせいきんせいしゃけい

先天性筋性斜頚

最終更新日:
2018年10月01日
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2018/10/01
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概要

先天性筋性斜頚とは、首が片方に傾き、うまく首を回すことができない状態を指します。出生時に生じた首の筋肉の損傷などが原因となり発症する病気です。

多くの場合、無治療でも自然に改善することが期待できますが、経過によっては装具の使用や手術が検討されます。

生後すぐにははっきりせず、数週間経過してから症状が明らかになったり、1か月検診がきっかけとなり診断されたりすることもあります。

原因

先天性筋性斜頚は、首に存在する胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)と呼ばれる筋肉に損傷が生じることを原因として発症します。

胸鎖乳突筋は左右両側に位置する筋肉であり、どちらか片方が損傷を受けることで首の位置や動きに障害が生じます。

胸鎖乳突筋への損傷は、胎児期の子宮内での姿勢が原因だったり出産時に生じたりすることがあります。骨盤位(いわゆる逆子)は、先天性筋性斜頚の発症リスクが高まることも知られています。

症状

胸鎖乳突筋の損傷・瘢痕過程が進展し、症状が現れます。具体的には、頭が傷ついたほうに傾き、顔がその反体側を向くようになります。

胸鎖乳突筋は首を動かすのに重要な筋肉であるため、先天性筋性斜頚ではうまく首を回すことができない、といった症状も現れます。さらに、瘢痕形成がはっきりすると、首にしこりを触れることもあります。

先天性筋性斜頚は、生後すぐにはあまりはっきりせず、生後2~3週間ほどの経過と共に、徐々に症状が明らかになることもあります。

そのため、1か月健診をきっかけとして、初めて病気が診断されることもあります。

検査・診断

先天性筋性斜頚は、臨床経過やその特徴的な症状から診断されることが多いです。そのため、必ずしも特別な検査を行うことはありません。

検査を行う場合には、胸鎖乳突筋の損傷状況や瘢痕の形成状況、その他の疾患を除外することを目的として、エックス線検査や超音波検査、MRI検査などの画像検査が検討されます。

治療

先天性筋性斜頚は多くの場合、1才半頃までに無治療でも自然に改善することが期待できます。

治癒過程を促進することを目的に、本人が向きにくい方向からの刺激を意図的に増やし、首の運動を促すこともあります。具体的には、向きにくいほうから声かけをしてあげる、首を向けにくいほうにおもちゃやテレビを置く、などを行います。

また、首の動きを促すために、赤ちゃんの首を他動的に真っ直ぐに向ける、動かす、などもストレッチ運動として取り入れることがあります。

時間経過と共に症状の改善が期待できますが、ときに治癒過程が芳しくないこともあります。その場合には、装具を使用する、手術的な治療を行うなども検討されます。

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