検査・診断
境界性パーソナリティ障害ではさまざまな心理テストなどが行われ、場合によっては脳の器質的な異常を調べるために頭部CT、MRI検査や脳波検査が行われることもあります。
しかし、これらの検査によっても異常が見られないことが多く、診断には詳細な問診を患者本人だけでなく家族など近しい人から繰り返し聴取する必要があります。そのうえで診断基準に合致したものを境界性パーソナリティ障害と診断します。
代表的な診断基準では以下の9つの項目のうち5つ以上当てはまる場合に境界性パーソナリティ障害に該当すると判断します。
- 見捨てられる体験を避けようと懸命に努力する
- 不安定で激しい人間関係が特徴。他者に対する評価が理想化と過小評価の間で激しく変化する
- 常に自己像(アイデンティティ)や自己感覚の不安定さを持っている(同一性障害)
- 衝動的に自分を傷つける可能性のある行動をする(薬物乱用や異常な浪費など)
- 何度も自殺を試みたり、自分の手首を切りつけたりするなどの自傷行為を繰り返す
- 著しく感情が不安定になる
- 慢性的に虚しさや退屈を感じる
- 思い通りにいかない場合などに激しい怒りを感じ、感情のコントロールができなくなる
- 一時的に妄想や重症の解離症状(自分が自分であることの感覚を失った状態。記憶が抜け落ちてしまう、知らぬまに思わぬ行動をしてしまうなど)を生じる
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