概要
尿道腫瘍には良性のものと悪性のものがあります。比較的よくみられる尿道腫瘍には、良性腫瘍の尿道カルンクラがあります。尿道カルンクラは外尿道口(尿の出口)の6時方向にできる腫瘍です。高齢女性に多く、症状がない限り治療は行いません。
尿道の悪性腫瘍(尿道がん)は男性より女性に多くみられますが、頻度は非常に稀で、女性の全悪性腫瘍のうち0.02%未満とされます。尿道がんは、大きく、移行上皮がん、腺がん、扁平上皮がんといった組織型に分類されます。
原因
尿道がんの原因は解明されていません。発症する危険性が高まる因子としては、高齢であること、脂肪や糖分の多い食生活などがあるといわれています。
症状
排尿障害や血尿、尿道からの不正出血、疼痛などがあります。しかし、高齢女性の排尿障害は正常な場合でも認められることが多いため、早期発見が難しいと言われています。
検査・診断
尿検査を行います。血尿があれば、尿細胞診検査により尿中のがん細胞の有無を調べます。ほかにも膀胱鏡尿道鏡検査(外尿道口からカメラを挿入し、尿道や膀胱を観察する検査)やMRI検査・CT検査などを行います。がんが疑われる場合には尿道腫瘍と思われる部分を一部針で採取して検査を行い、悪性の有無を確認することもあります。
治療
限局がんであれば、手術療法がや化学療法などを実施ます。手術は腫瘍切除および尿路変更術が必要となります。その後は再発の有無を確認するために、尿検査や画像検査(CTやMRI)などを行います。
進行がんであれば手術療法は行えないため、化学療法を行い、同じように画像検査で経過を見ます。化学療法とともに放射線療法を併用する場合もあります。
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