概要
リンパ腫とは、リンパ球の一部が正常な状態から外れて増殖したもので、悪性腫瘍(がん)の一種です。扁桃悪性リンパ腫とは、扁桃を含む口腔内や口腔周辺に生じたリンパ腫です。
血液中を流れる細胞は、白血球、赤血球、血小板の三種類に大別されます。このうち、白血球は細菌やウイルス、がん細胞と戦う役割を持ちます。白血球は、さらに骨髄球系細胞とリンパ球系細胞にわけられ、それぞれ細かく分類されます。
リンパ腫が、リンパ球が成熟する過程のどの段階の細胞から生じたかにより、病気の予後(見通し)や症状、治療への反応は大きく異なります。そのため、リンパ腫は細かな分類がなされています。
原因
多くの血液系悪性腫瘍と同様に、扁桃悪性リンパ腫の原因ははっきりわかっていません。細胞分裂の繰り返しに伴う遺伝子異常の蓄積が、発症につながります。扁桃悪性リンパ腫の場合、発症に関与する遺伝子異常はさまざまです。
症状
症状はおもに局所的なものと全身的な症状に分かれます。
局所的な症状の例
- 嚥下困難
- 嚥下痛
- 咽頭出血 など
全身的な症状の例
- 微熱
- 寝汗
- 体重減少
- 悪寒 など
どの症状が強いかは、リンパ腫の種類によっても異なります。
検査・診断
腫大しているリンパ節を手術で切除し、顕微鏡での形態的な観察や、細胞表面分子による分類などを行って診断します。顕微鏡で観察したときの特徴や細胞表面分子の種類は、どのリンパ腫が元となっているかによっても異なります。
リンパ腫が扁桃に限局しているかを確認するために、全身のPET-CT検査あるいはCT検査、骨髄穿刺・生検検査などを行います。これらの検査により、リンパ節腫大の有無や、骨髄へのリンパ腫の進展の有無を確認することができます。
治療
リンパ腫の種類と病気のステージによって異なります。基本的には化学療法と放射線療法を単独、あるいは併用します。
医師の方へ
「扁桃悪性リンパ腫」を登録すると、新着の情報をお知らせします