概要
抜毛癖とはトリコチロマニアとも呼ばれる、1889年にフランスの皮膚科医 Hallopeauによって名づけられた病気です。抑えきれない衝動により、自らの毛髪を引き抜くことで脱毛病巣を作ります。そのため、毛髪自体の病気ではなく、抜毛行為を止めれば毛は生えてきます。小学生から中学生の学童期の発症が多く、性差は女性に多いとされています。一種の癖であるため、脱毛に対して治療を行う必要はありませんが、一方で何らかの脱毛症と間違われ治療されることがあり注意を要します。
原因
抜毛によっておこります。抜毛に至る原因として、家族・友人・学校関係における問題を原因と指摘する報告が多くあります。
症状
抜毛による脱毛は頭毛に最も多いですが、眉毛・睫毛などでもみられます。円形脱毛症と異なり、脱毛斑の境界は不鮮明で、形も円形だけではなく様々な形を呈します。円形脱毛症のように完全脱毛斑とはならず、抜毛によって切られた毛が不規則に残ることが多いです。
検査・診断
不自然・不完全な脱毛部の状態を観察することで、診断は可能です。抜毛行為は緊張場面でよく起こるため、勉強机のそばなどに多く毛が認められ、枕やブラシなどには毛が付着していないことを確認することが診断の一助となります。
抜毛を本人や家族が認めれば診断は確実となりますが、抜毛が無意識に行われ、本人や家族が抜毛を認めないことも多いです。
治療
精神的ストレスを我慢し、それから逃避することで抜毛行為に至るため、抜毛癖ではストレスの原因となっている人間関係や環境変化を理解することが大切です。むやみに抜毛行為を叱らず、優しく注意するなどして止めさせることが必要です。治療に苦慮する場合には、精神科医に相談する必要があります。
医師の方へ
「抜毛癖」を登録すると、新着の情報をお知らせします
関連の医療相談が7件あります
抜毛症
自分で髪の毛を抜く癖があります。 短く生えてくる髪もピンセットで抜いてしまいます。辞めたいとは思うものの抜かないことがストレスで抜かないと寝れません。ゆびに絆創膏を貼ってみるも絆創膏を取ってしまう。信頼 できる友達に授業中抜きそうになったら止めて欲しい。と頼むもののトイレで抜いてしまう。辞めたいのに辞めれない。こんなのは言い訳なんでしょうか。辞め方を知りたいです。
頭皮のかさぶたを剥がしてしまう
小さい頃からの癖についての相談です。 客観視すると気持ち悪いので、ネットでの相談を利用します。 頭皮に限らず、肌にできたニキビなどをつぶしてかさぶたを作り、さらに引っかいて剥がして食べる癖があります。 意識的に引っかいているときもあれば、気づいたら手が伸びていることもあります。 手が血で汚れ焦ることもしばしばありますが、再び剥がす際にかさぶたが乾燥したパリパリした状態で大きいとなんだか嬉しくすっきりします。 ここ2週間ほど、頭皮にできたかさぶたを剥がし続けており、ペリペリ剥がしたかさぶたが手の小指の爪の大きさくらいまでになってしまいました。 また、かさぶた部分の髪の毛を抜いて捨てることもあります。 現在うつ病の診断を受け心療内科にて4年ほど治療をしていますが、主治医にこの話をしたことはありません。 言ってみた方がよいでしょうか? 診察を受けるなら、皮膚科など別の診療科がよいのでしょうか? よろしくお願いします。
娘の抜毛症の件
8歳の娘がもみあげを引っ張って毛髪がなくなってしまっています。 直近1か月でそのことに気づいていて、本人に何かあったと聞いてみたところ「わからないけど、気づいたら抜いてしまう」 といいます。 ネットで抜毛症というキーワードが出てきて、それに該当するのかと心配しています。 その原因について理解して、治してあげたいのですがどのようなことをすればよろしいでしょうか。
抜毛症について
5年前から自分の髪を抜いてしまう癖があります。コロナウイルスの影響で家にいる事が多くなり、特に今年はその癖が酷くうなじの辺りがそ 梳毛になってしまいました。 抜いた毛にはよく毛根鞘が付いていました。 何回も抜いて頭皮に大きなダメージが与えられたのか、なかなか梳毛になった部分が以前のように戻りません。 この梳毛になった部分は元のように戻ることはあるのでしょうか。
※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。