えんけいだつもうしょう

円形脱毛症

皮膚

目次

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概要

円形脱毛症は、コイン型に毛が抜け落ちてしまう病気です。数か月程度で自然に毛が生えてくることも多いですが、重症の場合には広い範囲に円形脱毛が生じ、頭部全体の髪が抜け落ちてしまうこともあります。

また、円形脱毛症は頭髪だけでなく、体毛など全身に症状が現れることもあります。円形脱毛症は、子どもから大人まで、さまざまな年齢で発症します。

原因

円形脱毛症の原因は、毛を作りだす細胞(毛球部)がリンパ球によって攻撃されてしまう自己免疫反応だと考えられています。しかし、詳しい原因については2017年現在、まだわかっていません。

発症しやすくなる要因には、主に以下のようなものがあると考えられています。

  • 遺伝的要素
  • 疲労・精神的ストレス
  • 感染症

一卵性双生児の場合、同じような円形脱毛症が発生することが多く、親子だと遺伝する確率は10%くらいといわれています 。

また、アトピー性皮膚炎、性感染症の一種である梅毒、甲状腺ホルモンの異常をきたす橋本病や全身に症状が現れる全身性エリテマトーデスなどの自己免疫性疾患(免疫システムが誤って自分の正常な細胞を攻撃してしまう病気)が脱毛に関係している場合もあります。

症状

円形脱毛症になると、突然コイン型に毛が抜け落ちるという症状が現れるのが一般的です。脱毛する場所が1か所の場合、70~80%の方は治療をしなくても自然に髪が生えてきます。頭髪の25%以上で脱毛が生じていると、重症と判断されます。重症になると自然治癒は期待しにくく、たとえ治療をしても治りにくい場合があります。

検査・診断

多くの軽症例では特別な検査を行う必要はなく、医師による診察で診断されます。 ただし、円形脱毛症の原因として挙げられる感染症(梅毒)や自己免疫性疾患(橋本病、全身性エリテマトーデス)が疑われる方の場合は、原因となっている病気を特定する必要が生じます。この場合は、発症している可能性がある感染症や自己免疫性疾患に応じた身体診察や血液検査が行われます。

治療

円形脱毛症の脱毛範囲が25%未満か25%以上(重症例)か、そして発症してからどれくらいの期間が経過しているかによって治療方法を選択します。

脱毛範囲が25%未満の場合

頭部用のステロイド、塩化カルプロニウム液といった外用剤や、セファランチン、抗アレルギー薬(第2世代抗ヒスタミン薬)、グリチルリチンといった内服薬が処方されます。また液体窒素を用いた冷却療法が行われることもあります。

これらの治療で治りにくい場合や、発症してから時間がたっている場合(通常6か月以上)には、もう少し強い治療法が検討されます 。具体的には、頭皮にかぶれを起こして発毛を促す局所免疫療法やステロイド剤の局所注射などが行われます。

脱毛が広範囲(25%以上)におよぶ重症例

脱毛が進行している状態(通常は発症して6か月以内)では入院してステロイド剤を3日間のみ大量に点滴するステロイドパルス療法や、ステロイドの内服が有効です。

これらステロイドを用いた治療法では、円形脱毛症における自己免疫反応を抑えることが期待できます。しかし長期投与を続けた場合、副作用の危険性があるため慎重に治療を行わなければなりません。また紫外線療法を行うこともあります。さらに脱毛が進行しなくなっていれば局所免疫療法を行うこともあります。

脱毛症を発症してから時間がたっている場合には、局所免疫療法やステロイド剤の外用治療、内服薬による治療が行われます。重要なのは、脱毛を放置しておくと、その後治療を始めても効果が得られにくいことです。広範囲の脱毛では、早期に診断を受けてステロイドの点滴や内服を受けることが効果的です。