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えんけいだつもうしょう

円形脱毛症

最終更新日
2020年05月21日
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2020/05/21
更新しました。
2017/04/25
掲載しました。

概要

円形脱毛症とは、頭髪の一部が楕円~円形状に抜け落ちる病気のことです。生まれつき発毛機能に異常があるわけではなく突然発症するのが特徴で、症状がよくなったり悪くなったりを繰り返しながら脱毛する部分が大きくなっていくことも少なくありません。

円形脱毛症の原因は、頭髪の産生に関わる“毛包”と呼ばれる部位がリンパ球という血液中の細胞の一種に攻撃されるためと考えられています。どのようなメカニズムでリンパ球が毛包を攻撃するのかについては明確に解明されていない部分も多いですが、遺伝の関与もあることが分かっています。そのほか、円形脱毛症の患者さんはアトピー性皮膚炎や甲状腺機能異常、尋常性白斑膠原病を合併することがあります。

重症化した患者さんの中には治療効果が十分に得られず多くの頭髪が失われるケースもあります。円形脱毛症の症状は“脱毛”のみで頭皮のかゆみや痛みなどを引き起こすことは少ないですが、見た目の問題から日常生活に支障をきたすことも少なくありません。円形脱毛症を患う4人に1人は15歳以下で発症するとされており、思春期の頃に見た目に自信が持てないことで、不登校や引きこもりなど社会的な問題を抱えることもあるため適切な対処が必要となります。

原因

円形脱毛症の原因は、髪の毛の元となる細胞が存在する“毛包”と呼ばれる部分がリンパ球によって攻撃を受ける自己免疫疾患だと考えられています。

ヒトの頭髪は生えて伸び、抜け落ちるまでに3つの段階の周期(ヘアサイクル)を持つとされています。毛包から生えた頭髪は通常であれば2~6年ほどかけて少しずつ伸びていきます。この期間を“成長期”と呼び、成長期を過ぎた毛包は2週間ほどで退化して抜け落ちる“移行期”に突入します。そして、3~4か月の“休止期”を経て新たな“成長期”へと巡っていくのです。

円形脱毛症では、この“成長期”にある毛包がリンパ球の攻撃を受けることで頭髪が脆弱(ぜいじゃく)になり、やがて頭髪が抜けると考えられています。どのような原因でリンパ球が毛包を攻撃するようになるか明確には解明されていませんが(2020年4月時点)、20%程度は遺伝が関係しているとされており、ストレスや不規則な生活などもリンパ球を過剰にはたらかせるきっかけになって円形脱毛症を引き起こすとの説もあります。

また、アトピー性皮膚炎甲状腺機能低下症などの病気が背景にあるケースも少なくないとされています。

症状

円形脱毛症の症状の現れ方は人によって大きく異なります。

一般的には、頭髪の一部に突然円形の脱毛斑(頭髪が生えない部分)が現れますが、大きさは重症度によって異なり、軽症な場合は小さな脱毛斑ができるものの1年以内に80%は治るとされています。

一方、脱毛斑が大きい場合は徐々に脱毛する範囲が広がったり、別の場所にも脱毛斑が現れたりすることで頭髪の多くが失われることも少なくありません。重症な場合には頭髪だけでなく全身の体毛に脱毛が及ぶこともあります。

また、円形脱毛症は頭髪の異常以外にも爪に小さなへこみや溝などができるケースが4人に1人の割合でみられるのも特徴のひとつです。

検査・診断

円形脱毛症は頭皮に特徴的な脱毛斑から診断をつけることが可能なことが多いのですが、脱毛斑が円形を呈していないなど診断が困難な場合には、頭皮に光を当てて拡大鏡で観察する“ダーモスコピー検査”も診断に有用とされています。急速に進行している場合には脱毛斑が及んでいない部位の頭髪を引っ張る“牽引(けんいん)試験”を行うと容易に抜け落ちる反応が見られることがあります。

治療

円形脱毛症は、発症してからの期間と脱毛斑の大きさや数によって治療法が異なります。

発症して間もなく脱毛斑が小さい場合は、毛包の炎症を抑えるステロイドなどの塗り薬やグリチルリチン、セファランチンなどの飲み薬が使用されます。

一方、これらの治療を続けてもよくならない場合は、脱毛斑に直接ステロイドを注射する治療が行われることも少なくありません。しかし、ステロイドの注射は皮膚がへこむなどの副作用に注意することが必要です。半年以上経過しても症状が改善しない場合や脱毛斑が広範囲にわたる場合には、頭皮にかぶれを引き起こす薬剤を塗って炎症を引き起こし、リンパ球の毛包への攻撃を弱める“局所免疫療法”が行われます。通常は1~2週間に一度の治療を繰り返し行う必要がありますが、保険適用が認められていない治療であるため、治療にかかる費用が高額になることがデメリットのひとつです(2020年4月時点)。

予防

円形脱毛症の発症メカニズムは明確には解明されていません。

しかし、発症には遺伝のほかにもストレスや疲れなども関わっていると考えられています。そのため、発症を予防するには規則正しい生活を心がけ、十分な休息や睡眠を確保してストレスなどをためないようにしましょう。

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円形脱毛症を得意な領域としている医師

  • 医療法人 桃恵会 心斎橋いぬい皮フ科 院長、大阪大学大学院医学系研究科皮膚・毛髪再生医学寄附講座 特任教授

  • 医療法人社団 紬心会 池袋西口ふくろう皮膚科クリニック 院長

    • 多汗症
      • 多汗の原因や、部位に応じた治療(外用療法や電気による治療、注射のよる方法、内服療法などを組みあわせて)を行っていきます。

      全身または局所に、多量の汗がでることにより、日常生活に支障がでる場合、多汗症と診断します。

    • アトピー性皮膚炎
      • 基本的な治療は、悪化する因子(家のほこりやダニなどの環境因子)を避けることと、皮膚の日々のスキンケアを外用療法を中心に行います。基本の治療で不十分な場合は、紫外線療法や内服薬、近年では注射薬などもあり、症状に合わせて治療を組み立てていきます。

      アトピー性皮膚炎は、かゆい湿疹が全身または部分的に繰り返す病気で、原因としては生まれ持った素因と、生活の環境に左右される因子が組み合わさって起こります。

    • にきび
      • にきびは、放置して痕(瘢痕)になると、治療が難しくなるため、早期からの継続した治療が近年選択できるようになっています。症状や部位に合わせた外用薬の組み合わせや、時に内服薬などで治療をしていきます。

      ざ瘡≒にきびは、毛穴と皮脂の産生が豊富な顔面、胸や背中などに、思春期以降繰り返し起こる病気です。

    • 円形脱毛症
      • 異常な免疫を抑える外用薬や内服薬、また紫外線などの治療や、免疫のバランスを活性化する免疫療法などがあります。

      いずれも、自分の毛包部や、色素産生する細胞に対して免疫の誤作動により、自分で自分を攻撃してしまう疾患ですが、なぜ起こるのかなどに関してはいまだ分かっていません。

    • 白斑
      • 異常な免疫を抑える外用薬や内服薬、また紫外線などの治療や、免疫のバランスを活性化する免疫療法などがあります。

      いずれも、自分の毛包部や、色素産生する細胞に対して免疫の誤作動により、自分で自分を攻撃してしまう疾患ですが、なぜ起こるのかなどに関してはいまだ分かっていません。