しんけいちょうせつせいしっしん

神経調節性失神

最終更新日:
2018年09月20日
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2018/09/20
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概要

神経調節性失神とは、脳への血流が一過性に低下することで生じる失神のひとつを指します。脳への血流を調節する神経がうまくはたらかなくなってしまうことで生じ、状況失神、情動失神などさまざまな病態を含む包括的な概念です。

失神の持続時間は長くはなく、1分程度で意識が戻ることが多いです。失神を起こす原因を特定し、事前に失神を予防することが大切です。

原因

神経調節性失神は、脳への血流を調節する神経がうまくはたらかなくなってしまうことで生じます。状況失神、情動失神、血管迷走神経反射、頸動脈洞失神といったさまざまな病態を含む包括的な概念です。

状況失神

排尿や排便、嚥下(えんげ)(飲み込む動作)など特定の状況において生じる失神を指します。こうした状況では、迷走神経が過剰にはたらくことになります。

迷走神経は、脈を遅くする、血圧を下げる、といったはたらきを有する神経であり、迷走神経が過剰にはたらく状況では脳への血流が低下して意識消失に至る可能性が高まります。

情動失神

恐怖や驚きなど、感情の起伏に一致して引き起こされる失神です。これらの状況では同じく迷走神経のはたらきが過剰になり、意識消失に至ることがあります。

頸動脈洞失神

頸動脈洞には血圧や脈拍を調節するのに重要な器官が存在しています。頸部のマッサージやひげ剃り、頸部の回旋のときなどに頸動脈洞を圧迫する、といったことによって、徐脈、心停止、血圧低下から失神に至ります。

症状

神経調節性失神では、意識消失を起こしますが、その前に、目の前が暗くなる、ふらつく、冷や汗をかく、吐き気がする、などの症状をみることがあります。

失神の持続時間は長くはなく、1分程度で意識が戻ることが多いです。また、失神を起こす状況によっては、周りのものにぶつかって怪我をしてしまうこともあります。

失神が生じる際に、何かしらの誘因が存在することもあります。たとえば、排便や痛みをきっかけに失神を起こすことがあります(状況失神)。

その他、脱水気味のとき、長時間起立しているとき、人ごみのなかでのストレスを感じているとき、などにも失神を起こすことがあります。

検査・診断

神経調節性失神では、意識消失を起こした状況を確認することが大切です。

脳や心臓の重篤な疾患が原因となっていることもあるため、これらを除外するために、心電図検査や心臓超音波検査、血液検査、頭部CTや頭部MRI検査が行われることもあります。

神経調節性失神では、head up tilt試験が行われることもあります。この検査では、ある一定の姿勢をしばらくの間とり続け、失神の症状が誘発されるかどうかを確認します。

治療

脱水気味のときや長時間起立しているとき、ひげ剃りの際などには失神が生じやすいため、こういった状況を避けることが大切です。具体的には、しっかりと水分を摂取して脱水を避ける、長時間の起立を避ける、といったことを心がけます。

目の前が暗くなる、吐き気がある、といった状況では、しゃがむ、横になる、など姿勢を変えることで事前に失神を予防します。

これらの予防策を講じても症状の改善がみられないときには、内服薬やペースメーカーの使用などを検討します。

失神を生じた際には、重篤な疾患が隠れていることもあります。失神を起こした原因を確定するためにも、また失神への対処方法を知るためにも、医療機関を受診することが大切です。

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