概要
耳介血腫とは、耳介の内部に出血が生じた状態のことです。柔道やラグビーなどの激しいコンタクトスポーツを行う選手に多く発生します。耳介血腫をそのまま放置すると、「カリフラワー耳」と呼ばれる耳介の変形をきたします。
原因
耳介は耳の外に張り出て飛び出している部分です。耳介は軟骨で形成されています。耳介を強い力でぶつけたり、地面とすれたりすると出血して皮膚と耳介軟骨の間に血液が溜まります。血液がたまりコブになったを血腫と呼びます。柔道、ラグビー、ボクシング、相撲、アメリカンフットボールなどのコンタクトスポーツをおこなう選手に多く発生します。
症状
耳介が腫れます。特に耳介の前半分に生じることが多く、そのままにしていると軟骨組織の瘢痕形成、耳介軟骨の反応性肥厚や壊死が生じます。そして細菌感染により膿瘍形成や慢性炎症への進展することで、カリフラワー耳と呼ばれる耳介の変形をきたします。
検査・診断
問診により発症転機、外傷歴を確認します。そして耳介の形態変化をもとに診断をします。血腫部位に針を刺して内容物を排出する際、成分が血液と関連したものであることを確認することも診断の補助となります。
治療
耳介の大きな血腫が自然に吸収されることはほとんどありません。そのため、腫脹部位に針を刺して溜まった内容液を除去します。一度の除去のみでは再発することも多く、複数回の穿刺を要することが少なくありません。皮膚切開など、確実に血腫を除去する方法を選択する場合もあります。血腫除去後は再度蓄積しないようにするため、血腫部位を圧迫止血します。綿球を耳の凹凸に合わせて糸で固定したり、包帯・ネットなどを使用します。感染が疑われる時は抗菌剤の投与も行います。
スポーツを契機に発症することが多いため、耳の外傷軽減も兼ねてイヤーガードなどを使用してもらいます。それでも繰り返す場合、コンタクトスポーツを辞めることを検討してもらうこともあります。
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