治療
まずは予防が重要です。便秘による裂孔を防ぐために、緩下剤の使用やバナナや野菜などの高繊維食の摂取、定期的な運動が奨励されます。また肛門括約筋を弛緩させる軟膏が有効な場合もあります。これら保存的治療が奏功しない場合はブジーといって少しずつ肛門を広げていく方法が考慮されます。
これらの治療で改善しない場合は手術療法の適応となります。狭窄が軽度な場合は内肛門括約筋側方切開術(LSIS法)といって肛門括約筋に軽く切開を加えることで肛門を広げる方法が推奨され、外来でできる手術法になります。
狭窄が重度な場合はスライディング・スキン・グラフト法(SSG法)という方法が取られます。手術では、狭窄の原因となっている硬い瘢痕を取り除き、外側の皮膚の一部を移動することにより肛門を拡張します。通常は1週間程度の入院が必要となります 。
これらの手術により一時的に症状が改善しても、健常な人の肛門と比較すると狭いことには変わりありません。引き続き生活習慣の改善や緩下剤によるコントロールにより便秘を予防することが大切です。
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