原因
肛門狭窄でもっとも多い原因は裂肛(切れ痔)です。裂肛が慢性化し何回も繰り返されることにより、裂けた部分の治癒過程で組織が盛り上がり瘢痕化していきます。裂肛が生じ、治るたびにこの瘢痕化が重なることで徐々に肛門が狭くなっていきます。
また慢性裂肛により肛門括約筋に炎症が及ぶと、肛門が狭い状態で固まってしまうことがあります。
別の原因として、肛門部に細菌感染が起こり膿を形成することを痔瘻といいますが、この場合に、膿の部分が肛門を全周性に取り囲むことで肛門が狭窄することがあります。
さらに、慢性的な下痢を繰り返し、肛門小窩に炎症が生じることで肛門小窩炎となり肛門狭窄の原因となることがあります。肛門小窩とは、直腸と肛門の境目の歯状線と呼ばれる部位にある小さなくぼみのことです。
また、痔核などの手術後に吻合部位にずれが生じることで術後肛門狭窄が生じることがあります。特に痔核に対して以前よく行われていた手術法であるホワイトヘッド手術では、術後狭窄を起こす率が比較的高く、ホワイトヘッド肛門と呼ばれています。
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