原因
脳や脊髄では複雑な神経活動が活発に行われており、情報伝達には神経線維を伝わる電気信号が重要な役割を担っています。電気信号をより効果的かつ素早く伝えるために、神経線維はミエリン(髄鞘)と呼ばれる構造物で覆われています。
しかし、何かしらの原因をきっかけにミエリンが変性・脱落すると(脱髄)、電気信号を伝える情報伝達経路に障害が生じます。視神経脊髄炎では、視神経や脊髄、大脳を中心に脱髄病巣が生じ、脱髄部位に関連した症状が誘発されます。
視神経脊髄炎では、抗アクアポリン4抗体という自己抗体が産生されることでダメージが生じると考えられています。視神経脊髄炎は、同じく脱髄を繰り返す“多発性硬化症”という病気の一亜型であると考えられていましたが、視神経脊髄炎の患者に多くに抗アクアポリン4抗が確認されたことによって、多発性硬化症とは別の病気であると区別されるようになりました。
しかし、なぜ免疫機構が自分自身(アクアポリン4)に対する抗体を産生するのかなどを含めて、詳しいメカニズムは解明されていません。
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