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ししんけいせきずいえん

視神経脊髄炎

最終更新日
2017年04月25日
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2017/04/25
掲載しました。

概要

視神経脊髄炎は、視神経と脊髄に炎症性の脱髄が生じることで視力低下や下半身不随を繰り返す病気です。同じく脱髄を繰り返す病気として、多発性硬化症が知られています。歴史的に視神経脊髄炎は多発性硬化症の一亜型であると考えられていました。

しかし2005年、視神経脊髄炎の患者さんから自己抗体の一種類である抗アクアポリン4抗体が出現していることが報告されました。この自己抗体は多発性硬化症では認められないため、両者は別の病気であると明確に区別されるようになりました。

視神経脊髄炎は、多発性硬化症とともに難病指定を受けている病気のひとつです。多発性硬化症は30歳前後の女性に好発し60代以降では発症例が減少するのに対し、視神経脊髄炎では高齢の方にも発症するのが特徴のひとつであると報告されています。また、視神経脊髄炎は女性に圧倒的に多い病気であることも知られています。

原因

脳や脊髄では複雑な神経活動が活発に行われており、情報伝達のため電気的な信号が重要な役割を担っています。電気的な活動をより効果的に行うために、神経線維はミエリンと呼ばれる構造物で覆われています。ミエリンが存在することで、より効果的に、より素早い速度で電気的な情報が伝達されることになります。

しかし、何かしらの原因をきっかけとしてミエリンが破壊されてしまうと(脱髄)、電気信号が伝わるスピードが低下し情報伝達機構に障害が生じることになります。視神経脊髄炎では、視神経や脊髄を中心として脱髄が生じることになり、部位に関連した症状が誘発されることになります。

視神経脊髄炎では、アクアポリン4と呼ばれるタンパク質を破壊する自己抗体(抗アクアポリン4抗体)により、脱髄が生じると考えられています。このタンパク質は中枢神経系に多く存在していることも知られており、そのため視神経脊髄炎では特徴的な神経系の病変が生じることになります。つまり視神経脊髄炎とは、抗アクアポリン4抗体が原因となる自己免疫疾患であるともいえます。自分自身の免疫機構がなぜ抗アクアポリン4抗体を産生してしまうのかなど、詳しいことはまだ判っていません。

症状

視神経脊髄炎では、視神経に炎症が生じることから視力低下などが初発症状として現れることが多いです。また脊髄に脱髄が生じる結果として、病変に一致した部位にしびれや痛み、感覚低下、脱力感を認めることがあります。視神経や脊髄に対しての症状が強く出現すると、失明や排尿障害などを認めることもあります。

視神経脊髄炎では、視神経や脊髄以外にも炎症がおよぶこともあります。たとえば、脳幹部に炎症が生じると、難治性のしゃっくり、吐き気、片麻痺だけでなく、呼吸循環機能など生命維持に欠かせない機能にも障害がおよぶこともあります。

視神経脊髄炎における神経傷害の程度は、多発性硬化症より強く、また重篤な後遺症をきたしやすいです。また視神経脊髄炎では、多発性硬化症同様に症状が再発しやすいのも特徴です。

検査・診断

視神経脊髄炎の診断では、頭部、視神経、脊髄を対象としたMRI検査による障害部位の特定と、血液検査での抗アクアポリン4抗体の検出が重要になります。脊髄MRI検査では、脊髄内の長い連続した病変を示すことが特徴的とされています。視神経や脳の病変を検出するうえでもMRIはとても有用な方法です。また原因として同定されている抗アクアポリン4抗体を検出することも、視神経脊髄炎の診断に際しては重要な所見になります。

視神経脊髄炎では、髄液中の細胞やタンパク質の増加を確認するため、髄液検査を行うこともあります。多発性硬化症では、オリゴクローナルバンドと呼ばれる所見が特徴的ですが、類似疾患である視神経脊髄炎ではみないことも多いため、こうした違いをもとに診断を進めていきます。神経系の機能を評価するには視覚誘発電位や体性感覚誘発電位などの測定が有用です。

治療

視神経脊髄炎の治療では、ステロイドパルスと呼ばれる治療方法が行われます。ステロイドパルスとは、短期間のうちに大量のステロイドを投与することで自己免疫を抑える方法です。また血液浄化療法と呼ばれる方法で、血液中に存在する免疫物質(抗アクアポリン4抗体など)を取り除くこともあります。

視神経脊髄炎の治療では症状が再発する可能性もあるため、ステロイドや免疫抑制剤を内服継続することになります。副作用が懸念されることから、定期的な確認も重要になります。

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