概要
遺精は、性行為(マスターベーションなどを含む)を伴わない不随意の射精のことです。通常は無意識に起こります。遺精のうち夜寝ている間に射精してしまうことを、特に夢精と呼びます。
射精は、性的刺激が加わってオーガズム(オルガズムともいう。絶頂感、俗にいう「イク」感覚)を感じた際に、交感神経(体が活発に動いているときに働く神経)の力がはたらいて起こります。
まず、前立腺液が前立腺部尿道へ分泌、膀胱頚部(出口付近)が平坦化し精管・精嚢が収縮し精液を尿道に射出、括約筋の反射が加わり尿道口から精液が射出されることがわかっています。
原因
病的遺精では、通常性感や性的興奮は伴いません。原因としては、前立腺炎、極度の精神疲労、長期の禁欲、脊髄疾患、性的神経症、ノイローゼなどが挙げられます。
症状
起きているときに性的刺激によって起こる射精は正常です。また睡眠中に性的な夢を見て射精をしてしまう遺精は夢精といい、副性器の分泌能が盛んな青壮年男子(未婚の男子によくみられ、年齢的には13~16才位)に多いようです。
夢精は生理的現象です。また禁欲期間が長い男性では昼間に精液が漏れてしまうこともごくまれにあるようです。しかし目が覚めているときに、性的感情や刺激がなく勃起もない状態でたびたび起こる射精は病的遺精であり、治療を要する場合があります。
治療
いずれも治療は難しいです。夢精の場合は病気ではなく生理的な現象ですので治療の必要はありません。病的遺精の場合は前述した原因を除去することが治療につながるため、まずは該当する診療科への受診が勧められます。
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