けいついしょうせいしんけいこんしょう

頚椎症性神経根症

最終更新日:
2025年02月28日
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2025/02/28
更新しました
2018/12/14
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概要

頚椎症性神経根症(けいついしょうせいしんけいこんしょう)とは、加齢に伴って頚椎(首の骨)にある椎間板(ついかんばん)*が突出したり骨棘(こつきょく)(骨の出っ張り)が形成されたりすることで神経が圧迫され、首筋と肩や腕に痛みなどが生じる病気です。具体的には、片方の肩や腕、手に痛みやしびれが現れるほか、重症の場合は筋力が低下します。一般的に、症状は首を後ろへ反らすと強くなるのが特徴です。

頚椎症性神経根症は、中高年以上に多くみられます。多くは安静にすることで自然に回復しますが、強い痛みが長く続くなどの場合は手術を検討する場合もあります。

*椎間板:頚椎の中で、骨同士の衝撃を和らげるクッションの役割を持つ組織。

原因

頚椎症性神経根症は、加齢の影響によって作られる骨棘や突出した椎間板が神経を圧迫することで生じます。

首の骨は、7つの椎骨(ついこつ)と呼ばれる骨が連なって形成されています。椎骨の内部にある脊柱管(せきちゅうかん)という隙間には、脊髄(せきずい)という頭部から腰にまでつながる中枢神経が走行しています。脊髄からは各椎骨の隙間を通って左右に神経が分岐しており、それぞれ左右の腕や手、指などに広がっています。このような脊髄から分岐した神経を神経根と呼び、頚椎症性神経根症はこの神経根が骨棘などで圧迫されることで発症します。

症状

頚椎症性神経根症では、肩から指にかけて痛みやしびれなどの神経障害が引き起こされます。神経根は左右にあるため、どちらか片方の神経根のみが圧迫されている場合には片側だけに症状が現れます。まれに両方の神経根が圧迫されることもあり、その場合は左右両方に症状が現れます。重症な場合は神経が強い圧迫を受けることで、腕や手が動かしにくくなったり、筋力が低下したりすることがあります。

また、首を後ろへ反らせると神経根が強く圧迫されることで症状は悪化します。強い痛みのために日常生活に影響が生じることもあります。

検査・診断

頚椎症性神経根症が疑われる場合は、麻痺を調べる身体診察や画像検査を行います。

身体診察では腕や手、指の脱力の有無を調べる検査のほか、首を後ろに反らせることで症状が悪化するかどうか確認します。これらの症状がある場合には、頚椎や椎間板の状態を評価するためにX線、CTやMRIによる画像検査が行われます。特に、MRI検査は神経の圧迫の状態や椎間板の突出の程度などを確認できるため、重症の頚椎症性神経根症の診断に必要な検査となります。

治療

頚椎症性神経根症は、基本的には首を後ろに反らさないなど安静にすることで自然に回復します。痛みが強い場合は痛み止めを用いた薬物療法を行うほか、頚椎カラーで首を固定して安静にする必要があります。

8割程度はこれらの治療で症状は改善しますが、筋力低下や筋肉のやせ(筋萎縮(きんいしゅく))が著しい場合や、治療してもなかなか良くならない痛み・しびれがあるような場合は、突出した椎間板や骨棘を切除して神経根への圧迫を解除するための手術が行われることがあります。

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