びくういぶつ

鼻腔異物

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

鼻腔異物とは、鼻の中にビーズやBB弾、ドングリなどの異物が入った状態を指します。特に小さいお子さんに多くみられます。

さまざまな物が原因になりえますが、ボタン電池が入ってしまった場合には粘膜損傷などが生じる危険性もあるため特に注意が必要です。

鼻腔異物によりみられる症状としては、悪臭を伴う鼻水などが挙げられます。

原因

鼻腔異物の原因となるものは、ビーズやBB弾、ドングリ、小石など多くのものを挙げることができます。

小さいお子さんにとっては初めて手にするものすべてが異物であり、興味本位から鼻の穴に入れてしまい鼻腔異物になることが多いです。

多くの物が原因となりますが、特にボタン電池は他の物とは異なった注意点があります。ボタン電池が異物として鼻に入ると、鼻の粘膜とボタン電池が反応して粘膜損傷が強くなることがあります。そのため、ボタン電池による異物に関しては特に注意が必要です。

また、ボタン電池は鼻腔異物に限らず食道異物の原因になることもあります。この際にも粘膜損傷から、場合によっては食道穿孔(れっこう)(穴があくこと)に至ることもあります。

症状

鼻腔異物が疑われる症状としては、慢性的な悪臭を伴う鼻水、出血、鼻の痛みなどを挙げることができます。また、異物の種類によっては誤嚥(ごえん)(食べ物や異物が喉頭と気管に入ってしまうこと)を起こしてしまうこともあります。

原因の項目で記載したように、特にボタン電池では粘膜損傷が生じることがあり、鼻の中の壁が破れてしまうため、激しい痛みや鼻出血を伴い注意が必要です。

検査・診断

お子さんの場合は、異物を入れた瞬間を周囲の大人が見ていれば、すぐに無症状のまま受診しますが必ずしもその瞬間を見ていることばかりではないため、数日が経過して受診することもあります。

鼻腔異物の診断では、まずは鼻鏡という鼻孔(びこう)のなかを観察するための器具で鼻腔を観察しますが、小児用の細いファイバースコープや硬性内視鏡を用いて詳細に異物の存在を確認することが重要です。

異物の数がはっきりしない場合など、レントゲンやCTなど画像検査も有用です。

治療

鼻腔異物では、異物の除去を行うことが重要です。局所麻酔を十分に行い、鼻鏡を使用して異物を確認しながら除去しますが、誤って異物を奥に押し込むことで後鼻孔から気道に落下する危険もあるため注意が必要です。

また、小さなお子さんは苦痛や恐怖により暴れると鼻腔の粘膜をさらに傷つけることになりますので、全身麻酔の上で摘出術を行うこともあります。

ボタン型電池では、粘膜に強い刺激を与えるため、摘出後にしっかりと鼻腔内を生理食塩水で洗浄することが重要です。さらに、摘出後数日して鼻中隔に穿孔が生じることもあるため注意が必要です。

お子さんは、好奇心から異物を鼻の穴に入れてしまうことも少なくありません。しかし、コットンや綿棒などで異物を取り出そうとすると、異物がさらに奥に入り込んでしまう危険性があるため、無闇に取ろうとするのは避けたほうがよいです。

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