何よりも患者さんにとって“身近なよい医師”でありたい

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何よりも患者さんにとって“身近なよい医師”でありたい

患者さんとの関係性を大切に、努力し続ける北野 将康先生のストーリー

住友病院 膠原病・リウマチ内科 診療主任部長
北野 将康 先生

人の役に立つ仕事がしたくて、医師の道へ

今でこそ患者さんを治療する立場ですが、実は私自身、病弱な子どもでした。体調を理由に学校にほとんど行けないような時期もあり、医師をはじめとする医療従事者の方たちには非常にお世話になりました。このような幼い頃の経験によって「自分も微力ながら人の役に立つ仕事に就きたい」という思いが芽生えるようになったのです。その志は成長しても変わらず、医師への道を選びました。

専門分野の選択では、目には見えない“免疫”が関係するところに興味を引かれて膠原病(こうげんびょう)を専門とすることに決めました。また、膠原病のような自己免疫疾患*の多くは、予防する術もなく発症に至ります。そういった病気の患者さんの力になりたいと思ったことも、この分野を選んだ理由です。

*自己免疫疾患:本来であれば細菌やウイルスなどの異物から体を守るためにはたらく免疫に異常が起こり、誤って自分自身を攻撃することでさまざまな症状を生じる病気のこと。

笑顔で帰る患者さんの姿が励みに

実際に膠原病の診療に携わっていると、患者さんによって病状は多種多様だと実感します。たとえば倦怠感や微熱などの症状が起こっているものの、血液検査の結果などでは異常がみられない場合もあります。複数の医療機関を受診しても診断がつかなかったという方でも、長年お付き合いしていくなかで病状を把握することができるようになり、最終的に診断に至った例もあります。このように症状に悩みながらも、なかなか診断がつかずに経過し悩んでいるような患者さんたちの力になりたいと考え診療に取り組んできました。

医師をやっていてよかったと思うのは、何といっても患者さんが元気になって帰られるときです。診察後にほっとしたような笑顔を見ることができると、とても励みになります。外来の患者さんが笑顔で帰って行く。その積み重ねが私の原動力といえるでしょう。

また、膠原病の領域では女性の患者さんが多くいらっしゃいます。患者さんに妊娠・出産について相談を受けたときには「治療しながら計画的に妊娠・出産を目指していきましょう」とお伝えしています。実際に治療を受けながら妊娠に至ったり、無事に出産されたりした患者さんを見ると、非常にうれしく思います。

恩師や同期などの支えで、今の自分がある

私は、いろいろな方にお世話になって今の自分があると思っています。何名かお名前を挙げると、まずは医師になって最初に指導してくださった大阪はびきの医療センター 副院長の緒方 篤(おがた あつし)先生です。医療のいろはから丁寧に教えていただきました。その後、研修医の頃に実臨床について教えてくださったのは、橋本膠原病リウマチクリニック 理事長・院長の橋本 尚明(はしもと なおあき)先生です。橋本先生は私にとって、臨床の師匠のような存在だと思っています。いろいろな質問に答えていただき、ときに厳しく指導されながら、先生を手本として臨床のスキルを磨いていきました。

また、もっともお世話になったのは、所属していた兵庫医科大学 内科学講座リウマチ・膠原病科の当時の主任教授で、現在は武田総合病院 リウマチセンター長である佐野 統(さの はじめ)先生です。佐野先生は、出来の悪い私ができるようになるまで辛抱強く待ち続けてくださるような方でした。研究では、その手法やマインドを手取り足取り教えてもらいました。その経験は、このうえない財産になったと思っています。また臨床では、患者さんとの接し方などを先生の背中を見て覚えていきました。外来の最後に、患者さんが笑顔で帰られる光景を見せていただき「目標にしたい」「医師としてのお手本のようだ」と感じたことをよく覚えています。

このような尊敬する先輩方に加えて、2人の同期の医師、兵庫医科大学 アレルギー・リウマチ内科 准教授の東 直人(あずま なおと)先生、県立西宮病院 リウマチ科 部長の関口 昌弘(せきぐち まさひろ)先生も大切な存在です。大学の臨床を3人で分担して担当するなど切磋琢磨して頑張った、いわば“同じ釜の飯を食った仲間”といえるでしょう。現在は所属する医療機関も異なりますが、定期的に会う関係で、臨床で迷ったときには相談に乗ってもらうこともあります。

患者さんにとって話しやすい存在でいたい

私は、患者さんにとって話しやすい相手でいたいと思っています。そのために、当然のことではありますが診察では顔をしっかりと見て話すよう心がけています。

患者さんが医師に言いたいことが言えなくなってしまうと、治療が正しい方向に進んでいきません。たとえば患者さんがきちんと薬を飲んでいない場合、正直に「実は飲んでいないです」と言ってくれれば、次のプランを一緒に考えることができます。薬の飲み忘れなど、言いづらいことを伝えてくれたときには「言ってくれてありがとうございます」と伝えるようにしています。

長いお付き合いになると、診察時に直接的に病気には関係ない日常生活などが話題に出ることもありますが、よりよい治療を行うために有効な情報だと思っています。ですので、できるだけ治療以外のことも話していただけるように、常に患者さんに近い存在でいるよう心がけています。

“平静の心”を大切に、患者さんのために努力を

後進の先生たちには、自分なりの意見をしっかり持ってもらいたいと思っています。私自身、若い頃に上司や先輩たちに必要以上に指示されるのではなく、自分で考えて行動させてもらったおかげで今があると感じているからです。自ら学び意見を持ってもらったうえで、気付きを与えるような声がけなどができればと思っています。後進の先生たちには、患者さんに「この先生に診てもらったら安心できた」と思ってもらえるような医師になってほしいですね。

昔と比べて、膠原病の領域ではさまざまな治療薬が登場しています。治療方針を決めるにあたっては、患者さんの社会的状況や生活環境、家庭環境などさまざまな要素を考慮するべきだと考えています。そのためには、患者さんにいろいろなことを話してもらいやすい距離感で診療を進めることが大切です。二人三脚のような形で治療を進めて、微力ながら力になれればと思っています。

私は何よりも、患者さんにとって“よい医師”でありたいと思っています。そのために、師より授かったウィリアム・オスラー博士の言葉である“平静の心”を大切にしています。オスラー博士は、医師・研究者・教育者として活躍した人物で、今から100年以上前に近代医学教育の基礎を構築したといわれています。何があっても動じることなく、冷静に判断して患者さんのために尽くす。自分もかくありたいと思い、この言葉を大切にしてきました。今後も臨床を続けて、少しでも患者さんがよい方向に進み元気になってもらえるように日々努力していきたいと思っています。

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