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高プロラクチン血症
 高プロラクチン血症とは、血液中のプロラクチンが異常に増加している状態を指します。プロラクチンとは、脳の一部に存在する下垂体から分泌されるホルモンの一つであり、母乳の調節に関わっています。下垂体...
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高プロラクチン血症こうぷろらくちんけっしょう

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

 高プロラクチン血症とは、血液中のプロラクチンが異常に増加している状態を指します。プロラクチンとは、脳の一部に存在する下垂体から分泌されるホルモンの一つであり、母乳の調節に関わっています。下垂体腺腫や薬剤などを原因として高プロラクチン血症は発症し、乳汁分泌異常、無月経、不妊などの症状を引き起こします。原因に応じて薬物治療や手術療法、放射線療法が選択されることになります。

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原因

 高プロラクチン血症は、血液中のプロラクチンが異常に高くなる状態を指します。脳には「下垂体」と呼ばれる小さな構造物が存在していますが、下垂体はプロラクチンを始めとして種々のホルモンを分泌する役割を持っています。下垂体からのプロラクチン分泌は、さらに上位に存在する「視床下部」と呼ばれる脳の一部から調節を受けています。すなわち、視床下部から「ドーパミン」と呼ばれる物質が分泌されていますが、ドーパミンが存在する時には下垂体はプロラクチンの分泌を抑えるようになります。逆にドーパミンが存在しない場合には、下垂体からプロラクチンが分泌されるようになります。高プロラクチン血症は、こうした「視床下部-下垂体」の調整機能に異常が生じた場合に発症することになります。 臨床上よく遭遇するものは「薬剤性高プロラクチン血症」です。睡眠薬や精神安定剤、制吐剤などには視床下部から下垂体へのプロラクチン分泌調整機能を乱すものが存在しており、原因薬剤を内服することから高プロラクチン血症が発症することがあります。 また、「下垂体腺腫」と呼ばれる病気に関連して高プロラクチン血症が発症することがあります。下垂体腺腫自体は良性腫瘍であることが多いのですが、プロラクチンを過剰に分泌することがあります。また、ラトケ嚢胞や頭蓋咽頭種と呼ばれる腫瘍が下垂体近傍に発生することがあります。これら腫瘍は、視床下部から下垂体への情報伝達(すなわち、ドーパミンによるプロラクチン抑制の指令です)を阻害することがあり、高プロラクチン血症に至ることがあります。 その他、慢性腎不全、甲状腺機能低下症、遺伝子異常(例えばPRLR遺伝子)、サルコイドーシスなども高プロラクチン血症の原因となりますが、明らかな原因を同定的な特発性高プロラクチン血症も知られています。

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症状

 高プロラクチン血症の症状は、閉経前の女性や男性によく見られます。閉経前の女性であれば、性腺機能の低下に関連した症状として不妊や無月経が見られます。また、妊娠していないにも関わらず、母乳の産生・分泌を見ることがあります。無月経と関連して、続発症として骨濃度が低下することもあります。なお、閉経後の女性では既に性腺機能が低下していることから、高プロラクチン血症が存在する状況でも明らかな症状を見ることはありません。乳汁分泌もまれです。下垂体腺腫に関連した高プロラクチン血症の場合、頭痛や視力障害などを認めることもあります。 男性における高プロラクチン血症でも、女性と同様に性腺機能に対しての影響が生じます。すなわち、不妊や性欲の低下、インポテンツ、女性のように乳腺が大きくなるなどの症状を見ることがあり、時に母乳分泌を見ることがあります。

検査・診断

 高プロラクチン血症の診断は、血液検査でプロラクチンが基準値(20ng/ml)よりも上昇していることからなされます。注意すべきは、プロラクチンの分泌量には時間的な変動があるため、複数回の血液検査が必要になることもあります。また、異常に高いプロラクチン血症の場合、検査上の限界から逆に低めの値を呈することがあるため注意が必要です。またプロラクチンのタイプによっては、検査上は高プロラクチン血症を示すが臨床上問題にならないものがあることも知られています。したがって、高プロラクチン血症の血液検査を解釈する際には、注意を要することがあります。 高プロラクチン血症では、プロラクチンの分泌刺激試験や抑制試験が行われることがあります。また頭部MRIなどの画像検査を併用して、下垂体腺腫やラトケ嚢胞、頭蓋咽頭種などの構造物の異常がないかを検索することもあります。 高プロラクチン血症の原因は、薬剤に関連したものであることも多いです。したがって、高プロラクチン血症では内服している薬剤について検討することも重要になります。

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治療

 薬剤が原因となっている高プロラクチン血症の場合は、原因となっている薬剤を中止することが第一選択です。治療上どうしてもやめることができない場合は、ブロモクリプチンを代表とするドパミン作動薬が使用されます。ドパミン作動薬を使用することで、下垂体に対して働きかけプロラクチンを分泌されないように調整することを期待します。ドパミン作動薬は、原因不明の高プロラクチン血症や下垂体腺腫が原因となっている高プロラクチン血症においても使用されることがあります。 下垂体腺腫が原因となっている高プロラクチン血症に対しては、上記の内服薬が第一選択です。薬に対する経過に応じて、手術療法や放射線療法が検討されます。手術では「Hardy手術」と呼ばれる方法がとられることが多く、鼻の穴から内視鏡や顕微鏡を使って蝶形骨洞と呼ばれる副鼻腔を経て腫瘍にたどりつき、摘出します。 手術や放射線療法では、合併症として下垂体機能低下症を来すことがあります。この場合には、分泌が低下しているホルモンを補充するための補充療法が併用されることになります。

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