にょうせんけつ

尿潜血

腎臓
膀胱
尿管
尿・便検査
尿や便を採取し、その中に含まれる物質などを測定する検査です。
鑑別診断
この検査だけで病名を確定することはできませんが、異常の有無やどのような病気が考えられるかなどを知ることができるものです。検査結果に応じて、さらに検査が追加される場合があります。
フォローアップ
治療の効果や、病気の経過を知るために行われる検査です。定期的に繰り返して実施されることもあります。
スクリーニング
ある特定の病気について、その可能性があるかどうかを広く知るために行われる検査です。具体的な診断をするためにはさらなる検査を必要とします。また、健康診断などで用いられることもあります。
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基準値・基準範囲(出典元:エスアールエル詳細)

※検査機関・検査方法によって異なる場合があります。

  • (-)もしくは陰性

尿潜血(にょうせんけつ)とは、尿中に含まれる赤血球の有無を示す項目で、尿路からの出血(血尿)の有無を調べることができます。

血尿の原因として考えられる病気には、膀胱炎や腎盂腎炎(じんうじんえん)などの感染、糸球体腎炎、腎臓・尿管結石、尿路の悪性腫瘍などが挙げられます。また、激しい運動の後や外傷、婦人科系からの出血で陽性になることもあります。

尿潜血は、一般的に知られている尿検査で測定するもので、採尿した尿を試験紙に浸し色の変化で陰性か陽性かを判断します。陽性であれば腎臓や膀胱、尿道といった尿の通り道(尿路)の出血によって、赤血球が尿に混ざっていることを示します。

血尿は肉眼で分かる「肉眼的血尿」と、顕微鏡でしか確認できない「顕微鏡的血尿」があり、尿潜血では顕微鏡的血尿の場合も反応します。したがって、血尿と自覚していない場合でも、尿潜血で陽性となることがあるのです。

主に症状などから尿路の病気が疑われるような場合に、尿検査で尿潜血を調べます。

また、健康診断や人間ドックの検査項目に含まれている場合もあります。ただし、尿潜血は尿中の赤血球の有無が分かるだけで、その原因を特定できるという性質のものではありません。

尿検査の測定項目の中には、食事や服薬などによって影響を受けますが、尿潜血においては影響を受けません。そのため検査前には注意すべきことは特にありません。

ただし、生理中の人は、異常がなくても尿潜血で陽性となり異常値の結果になってしまいます。検査自体はできる場合がありますが、検査時期をずらせるなら生理が終わった後に検査を受けるようにしましょう。

検査前に心がけるとよいこと

尿検査では、自分自身で尿を採取して提出します。

中間尿と呼ばれる途中の尿を使用するので、尿を採取するときには出始めや終わりの尿を捨て、途中の尿だけ採取するようにしましょう。

また、検査前にトイレに行ってしまうと必要な量を採取できず、当日スムーズに検査が受けられない、または後日改めて検査する必要がでる可能性があります。検査前にはトイレに行かないよう気をつけましょう。

尿を専用の採尿カップや容器に入れるだけなので、時間はかからず痛みもありません。

尿潜血の結果は、「-」「±」「+」「2+」というように記号で判定します。

「-」は陰性で異常なし、「±」は擬陽性、「+」以上が陽性となります。ただし、測定方法や医療機関によって、基準値の範囲が異なる場合があります。

試験紙法(採取した尿に試験紙を浸す検査)による尿潜血で陽性となった場合、尿路からの出血の可能性が疑われます。しかし、尿潜血反応が一過性のことも多く、また出血の原因や量を特定することはできません。

尿の濃度が濃い場合、偽陽性となることもあります。したがって、実際に出血しているかを確認したり原因を特定したりするためには、再検査や精密検査が必要となります。

再検査では、試験紙を使用する尿潜血が行われることもあれば、尿中の成分を詳しく顕微鏡でみる尿沈渣(にょうちんさ)が行われることもあります。精密検査においては多くの場合、まず超音波検査が実施され、これによって何らかの病気が疑われる場合にCTやMRI、膀胱鏡、生検などが実施されます。

陽性反応が一過性の場合も多いですが、尿路の病気の可能性もあります。

尿潜血で陽性となった場合には、学校などで健康診断を受けた人なら早めに泌尿器科へ、人間ドックや外来で検査を受けた人は忘れずに再受診し、再検査・精密検査で詳しく診てもらいましょう。

再検査・精密検査の結果によって、経過観察でよいか・治療が必要か判断されます。いずれの場合も担当医の指示に従い、自己判断で中断しないようにしましょう。

本記事で採用している検査名称はより一般的な表現を採用しておりますが、医療機関や検査機関によって異なる場合があります。また名称が異なる場合、検査内容も一部異なっている場合があります。

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実績のある医師

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独立行政法人 国立病院機構 東京医療センター 泌尿器科 副医長

はっとり せいや

国立病院機構 東京医療センターー低侵襲な医療を患者さんに提供することで地域医療に貢献する

区西南部医療圏の医療を支える東京医療センターによる、前立腺がん・子宮体がん・胃がん.大腸がん・慢性中耳炎.真珠腫性中耳炎の治療をテーマにした特集です。

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たなか はじめ

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順天堂大学医学部附属練馬病院 泌尿器科 教授・診療科長

むとう さとる

順天堂大学医学部附属練馬病院―“ワンチーム”で充実した医療を地域に届ける

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医療法人インテグレス 新橋消化器内科・泌尿器科クリニック 理事長

いせろ てつや

胃・大腸カメラを“眠ったまま”で、消化器と泌尿器の症状を幅広く診療

新橋消化器内科・泌尿器科クリニック(東京都港区新橋1丁目11-5 コルティーレ銀座ビル 7F 8F:JR・東京メトロ・都営線・ゆりかもめ「新橋」駅 徒歩1分)の病院ページ。

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