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胃がん検診とは、胃がんの有無を調べるための定期検査のことです。胃がんは日本のがんによる死亡原因の上位に位置し、50歳代以降の人に多くみられます。そのため、各市町村の事業として行われる胃がん検診の対象者は、男女共に50歳以上の健康な人で、2年に1回の実施が指標とされています。
なお、2022年3月現在は、胃がん検診に含まれる胃X線検査は40歳代の人も対象として実施可能であり、1年に1回の頻度で受けることが可能とされています。
胃の不快感や痛み、食欲不振、食事がつかえるなどの症状を自覚する場合には、胃がん検診ではなく、すぐに病院を受診して検査を受ける必要があります。
胃がん検診の方法には、胃X線検査(上部消化管X線検査)と胃内視鏡検査(上部消化管内視鏡検査)があります。個人差がありますが、いずれも検査時間は10分程度です。検診内容や費用については各市町村や医療機関によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
胃X線検査は、バリウムという造影剤と胃を膨らませる発泡剤を飲み、X線を用いて体外から胃の中の状態を映し出す検査です。
発泡剤によってゲップが出やすくなりますが、ゲップをすると胃粘膜の状態が分かりにくくなってしまうため、検査中はゲップを我慢してもらう必要があります。また、胃の粘膜にバリウムを付着させるために、撮影台の上で回転してもらったり左右に動いてもらったりします。
胃内視鏡検査とは、内視鏡(先端に小型カメラを装着した細い管)を口または鼻から挿入し、胃の中を直接観察する検査です。粘膜を直接観察するため、粘膜の微細な変化も捉えることができ、でこぼこ少ない病変や色調変化だけの病変も確認できます。
内視鏡が喉を通るときに嘔吐反射が起き、苦痛を感じることがあるため、苦痛を軽くするために鎮静剤を使用する場合もあります。
安全に検査を行うために、以下の人は検査を受けるのに適さないとされています。
正確な検査結果を得るために、検査前日・当日は飲食の制限があります。また、薬の服用にも注意を要します。
●検査前日
●検査当日
●検査前日
●検査当日
上着はボタンやファスナー、金具のない無地のものを着用してください。カップ付きのインナーは控えましょう。
アクセサリー、時計、腰の湿布、磁気治療器は付けないでおきましょう。
体を締め付けない楽な服装を着用しましょう。また、アクセサリーの装着は控えてください。
胃がん検診の結果は、後日文書で通知されるのが一般的です。異常あり(要精密検査)の場合には、必ず精密検査を受けましょう。
なお、検診で胃X線検査を受けた方は、精密検査として胃内視鏡検査を行います。胃内視鏡検査で疑わしい病変が見つかった場合には、その組織を一部採取する生検を行うことがあります。
胃がんは胃X線検査や胃内視鏡検査で発見しやすいがんですが、がんがあっても検査で必ず見つかるとは限りません。がんのタイプや出現部位などによって発見が難しい場合もあるため、異常がなくても定期的に胃がん検診を受けることが大切です。
胃の不快感や痛み、食欲不振、食事がつかえるなどの症状が出た場合には、すぐに病院を受診しましょう。
本記事で採用している検査名称はより一般的な表現を採用しておりますが、医療機関や検査機関によって異なる場合があります。また名称が異なる場合、検査内容も一部異なっている場合があります。
参考文献