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腰椎分離症とは
高齢化社会が進む中、整形外科領域の疾患に悩む方が増えているといわれています。ただし、腰部の疾患は、高齢者だけに限ったことではありません。病名・年齢を問わず、腰部の痛みや日常生活の支障を訴える方が...
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腰椎分離症とは

公開日 2016 年 01 月 01 日 | 更新日 2018 年 02 月 21 日

腰椎分離症とは
山崎 隆志 先生

日本赤十字社 武蔵野赤十字病院 副院長 /整形外科部長

山崎 隆志 先生

高齢化社会が進む中、整形外科領域の疾患に悩む方が増えているといわれています。ただし、腰部の疾患は、高齢者だけに限ったことではありません。病名・年齢を問わず、腰部の痛みや日常生活の支障を訴える方が増えています。腰部の重要な疾患の一つに、腰椎分離症があります。本記事では、武蔵野赤十字病院整形外科部長の山崎隆志先生に、腰椎分離症とはどのような病気なのかについて解説していただきます。

腰椎分離症とは

腰椎分離症とは、主に10代の成長期に見られる疾患です。過度のスポーツや腰部の回旋などによる負担によって、腰椎の後部(椎弓)が分離(疲労骨折)してしまう疾患です。

人間の椎弓は、神経組織などを保護するためにリング状の構造になっています。スポーツや物理的な負担がかかる行動、特にジャンプや腰が回旋する運動を繰り返し行うと、腰椎の後部組織にあたる椎弓(棘突起、横突起、上関節突起、下関節突起)特に椎弓狭部が疲労して、疲労骨折が生じ、それが治癒しない場合に腰椎分離症を引き起こすと考えられています。(図1)

また、分離を起こす部位は、5つの椎体で構成されている腰椎のうち第5腰椎が分離することが大多数だとされています。

腰椎分離症の例

成長期の極端な運動等の負荷によって腰椎分離症が起こるという論拠ですが、胎児や新生児や生まれつき歩行ができない方には、腰椎の分離が認められません。また、腰椎の分離は、新生児から歩行可能な年齢になるにしたがって、頻度が増加することがわかっています。 

腰椎分離症は、腰痛や下肢のしびれなどといった症状を引き起こします(詳細は後述します)。しかし、腰椎分離症が起きていてもまったく症状が起きないこともあります。腰痛などの症状がない方でも男性で3~7%、女性で1~4%ほどの方が腰痛の分離が起きていることがわかっています。また、人種間でも腰椎分離症が起きる頻度に違いがあることがわかっています。

他方で、運動している子どもにおける腰椎分離症の発生は、約9%(運動しない子どもの約3倍)の割合となっています。このことから、腰椎分離症の大多数は後天的なものを考えられます。すなわち、スポーツや体に負荷がかかる運動等で腰椎に過剰なストレスが繰り返し加わると発生すると考えられています。

腰椎分離症は、腰痛や下肢のしびれなどといった症状を訴えることで見つかることが大多数です。上図のように腰椎後部の神経組織を保護している椎弓の一部が分離するため、「上体を後ろに反らす」動作をすると、脊柱管(椎弓の中を通る神経組織を保護する管)や腰椎の周囲を通る神経根などを刺激して痛みを感じるケースがよく見られます。

腰椎分離症が起きていることがあきらかになった場合、初期の段階でコルセットなどによる外固定や痛みどめによる対症療法を行います。加えて、2~3カ月程度のスポーツや負担がかかる運動を中止します。また、医師の指導に基づいたストレッチなどといった適切な治療を行えば、分離した腰椎は治癒させることが可能です。しかし腰椎が分離した状態が長期間続くと、分離した腰椎は癒合しません。また、腰椎すべり症に移行するケースがよく見受けられます。十分な保存的治療を行っても、生活が不自由な場合に外科手術による分離した椎弓の固定を行います。

東京大学医学部を卒業後、東京大学医学部付属病院分院、山楽病院、国立西埼玉病院にて診療に携わる。1995年より武蔵野赤十字病院入職。2002年より同院 整形外科部長、2012年より副院長就任。脊椎疾患で悩む患者の診療に携わり、脊椎手術は3000例を越える。(2015年時点)また、海外の紛争地および被災地での診療経験も多数。多くの国民の健康上の課題の一つとなった骨粗しょう症脊椎対策のエキスパートとして、医師の間からも評価を集めている。

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