ひろうこっせつ

疲労骨折

最終更新日:
2024年10月25日
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2024/10/25
更新しました
2018/09/14
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概要

疲労骨折とは、同じ部位に繰り返し小さな外力が加わることで骨にダメージが加わり、ひびが入ったり折れたりする骨折のことです。転倒などで一度に強い外力が加わり骨に損傷が生じる通常の骨折と異なり、繰り返し骨に負担がかかりやすいトレーニングをしているスポーツ選手などが発症しやすいとされています。

疲労骨折はさまざまな部位に発症する可能性がありますが、足の甲の“中足骨”や脛の“脛骨(けいこつ)”に好発します。疲労骨折を発症すると患部に慢性的な痛みが生じ、進行すると小さなひびから完全な骨折に至ることもあるため注意が必要です。

治療は基本的に、患部を安静にして、痛みに対する鎮痛薬などを用いた対症療法を行います。完全な骨折に至った場合や対症療法を行っても症状が改善しない場合は手術が必要になります。

原因

疲労骨折は、スポーツのトレーニングなどを繰り返すことで骨の同じ部位に繰り返し外力が加わり、骨にひびが入ったり折れたりするタイプの骨折を指します。多くは体重の負担がかかりやすい足の甲や脛の骨に発症しますが、ゴルフなどで腰や背中を捻る運動を繰り返す場合は肋骨(ろっこつ)腰椎(ようつい)に発症することもあり、腕を多く使う運動では前腕の骨に発症することもあります。

なお、疲労骨折は同じトレーニングを繰り返していても発症する人と発症しない人がいます。発症には骨にかかる外力の大きさや頻度以外にも、筋力や柔軟性の不足などの要因や、過剰なトレーニング、体力や技術に合っていないトレーニング、衝撃を十分に吸収しない靴や固すぎる地面でのトレーニングなどの要因も関わっています。また、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)など骨がもろくなる病気が背景にある場合もあります。

症状

疲労骨折を発症すると外傷がないにもかかわらず、患部に慢性的な痛みが生じるようになります。痛みは骨の位置に一致し、運動をすると悪化して安静にすると軽快するのが特徴です。しかし、適切な治療をしないまま運動を継続すると安静にしていても痛みが生じるようになり、骨に入ったひびが広がって完全な骨折に至るケースも少なくありません。

検査・診断

疲労骨折が疑われる場合は画像検査が必要です。

一般的にはX線による検査が行われますが、疲労骨折は早期段階では骨の異常が見られず、2~3週間ほど経過してから再度検査をすると異常が分かるようになります。そのため、早期段階で診断を下すにはCT、MRI、骨シンチグラフィーによる検査を行う必要があります。

また、特に女性が発症した場合などは骨粗鬆症が原因の可能性もあるため、骨粗鬆症の有無を調べることもあります。

治療

疲労骨折は基本的に発症原因となる運動を避けて患部を安静にすることで回復します。痛みが強いときは鎮痛薬などを用いた対症療法を行うこともありますが、特別な治療が必要になることはほとんどありません。

しかし、骨への損傷が強い場合などは安静の維持や対症療法だけで改善しないこともあります。そのような場合には手術が必要になることもあります。

応急処置

運動をしていて特定の部位に痛みが繰り返されるときは、運動を速やかに中断して患部を安静にすることが大切です。また、痛みが強いときは患部を冷却し、医療機関を受診しましょう。

予防

疲労骨折は骨の同じ部位に繰り返し外力が加わることが主な原因です。発症を防ぐには、過度なトレーニングや体の一部分を酷使するようなトレーニングを避け、適切なトレーニング量となるよう調整しましょう。

また、疲労骨折は上述したように筋力や柔軟性の不足などの要因や、靴や地面などの要因も発症に関わっています。自分の筋力や柔軟性に適したトレーニングを心がけ、足や腰、背中などに過度な負担がかからない環境を整えることが大切です。負担の少ない運動のフォームを身につけ、必要に応じてインソールなどを使用することも、疲労骨折の予防としては重要となります。

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