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インタビュー

強迫性障害は治るのか-強迫性障害の寛解と再発について

強迫性障害は治るのか-強迫性障害の寛解と再発について
松永 寿人 先生

兵庫医科大学 精神科神経科学講座 主任教授

松永 寿人 先生

強迫性障害は治るのかという点は、非常に気になるポイントではないでしょうか。現在強迫性障害は、病院に通って治療を継続できればよくなる病気になってきました。一方、患者さんの治すという強い気持ちがなければ、治りにくいですし、再発してしまう病気でもあります。今回は、強迫性障害の寛解と再発について兵庫医科大学病院 精神科神経科 主任教授の松永寿人先生にお話しいただきました。

強迫性障害は、病院に来て治療を継続できればよくなる病気です。多くの方が寛解レベル(この場合病気の80%程度まで治ること)まで治ります。しかし、この多くでは、寛解レベルにまで達した段階で症状との共存を陥ってしまう(=習慣として残してしまう)のです。それは、強迫性障害の症状はトイレの手洗いや外出前の鍵の確認など「正常な行動」の延長線上にあるため、次第に正常なのか、まだ病気なのかの判断が難しくなってしまいます。つまり強迫行為や巻き込みの一部が、習慣になって持続してしまうのです。

これは患者さん自身の生活に影響しない限り、病気とはいわれないかもしれません。しかし患者さんには、残遺症状(症状と共存していること)をなくしていかなければ、何かのきっかけで再発する可能性があることを強くお伝えしています。
ある患者さんを例にご説明します。ある女性の患者さんは治療の結果非常によくなり、仕事に復帰できるまでに回復しました。薬を徐々に減らし、服用しなくても問題がない状態になったのですが、その一ヶ月後、強迫性障害が再発しました。この女性とご主人の間では、ご主人が座って用を足すというルールがありました。このルールこそが残遺症状であったのです。

このルールのなかで女性は安定していたのですが、ご主人が立ってトイレをしているのを偶然見てしまったときに、トイレ全体が汚れているのではないかという不安が出てきてしまったのです。そこからトイレの掃除が始まり、ご主人が汚染源のように思え、ご主人の触ったものすべてが汚れているのではないかという観念が始まってしまいました。このように、強迫性障害がよくなっても、症状との共存を許容している限り、再発リスクを抱えているのです。「寛解率60%・再発率30%」や「寛解率50%・再発率50%」という海外のデータが示しているとおり、強迫性障害の再発は非常に多いのです。

治療の始まりや病気の治し方などはよくいわれますが、治療の終え方はなかなか注目されません。しかし強迫性障害ではこの終え方が重要なのです。そこで、治療のための行動療法と残遺症状を残さないための行動療法を合計2クール行うなど、残遺症状(症状と共存してしまうこと)に対する取り組みを意識・継続することで再発を防げるのではないかと考えています。また、不安になったとしても少し冷静になり、行動療法で繰り返し練習した「逃げない・繰り返さない」の意識を持ち続け、妥協せず継続することが重要です。

 

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